新海誠の監督作を手がけてきたコミックス・ウェーブ・フィルムの新作アニメーション「
「詩季織々」は、中国の都市を舞台にした3本の短編からなる青春アンソロジー。上海を舞台とした幼なじみの男女の淡い恋物語「上海恋」、広州で助け合いながら暮らす姉妹の物語「小さなファッションショー」、北京で働く青年と故郷・湖南省の祖母の関係を描いた「陽だまりの朝食」の3話で構成される。
「上海恋」を手がけ、総監督も務めたリ・ハオリンは本作について「3人の監督はそれぞれ違う視点から中国の社会的変化を表現したいと考えています。表現の仕方も違いますし、持っている思いも違う。そこもお楽しみいただけたらうれしいです」と笑顔を見せた。「小さなファッションショー」が初監督作品となる竹内は「10年ぐらい新海(誠)さんの下で作品を作ってきて、今回自分から何か作らなければいけないということを初めて経験したんですが『なんて大変な仕事なんだろう』と思いました。また、いろんな人とコラボする過程をどれだけ楽しめるかということを考えていたんですが、やってみてとてもいい経験になりました」と述懐する。
「陽だまりの朝食」で主人公シャオミンを演じた坂は「果たして自分に演じきれるのかという不安がありましたが、シャオミンと自分に共通点が多いことに気付き、自然体でそのままの演技ができました」と語る。「小さなファッションショー」のルルに声を当てた白石は「台本と一緒にアフレコで使用する映像をいただいたんですが、なんとその映像にすでに監督の声が吹き込まれていて。監督の愛を感じました」と興奮気味に明かす。声の主である竹内が「うちの会社は監督が絵コンテに声を入れなきゃいけなくてですね。恥ずかしかったです……」と明かすと、白石は「すごく優しいルルでした!」と賛辞を贈った。「上海恋」で主人公リモの声を担当した大塚は、メインキャラを演じるのは自身初と語り「すごく責任を感じました。リハーサルの映像ではすでに絵がきれいにできていて、生きているリモたちに命を吹き込まなければいけないという緊張感を感じながらやっていました」とアフレコ時を思い起こす。
イベントでは本作の内容にちなみ、登壇者たちが衣食住の思い出を語るコーナーも。「衣」の思い出について白石は「7つ上の姉がいるんですが、お姉ちゃんの洋服って憧れるんですよね。だから、早くお姉ちゃんからお下がりがもらえないかなあと思っていました」と子供時代を回想した。リ・ハオリンは「上海恋」の舞台となった中国の集合住宅・石庫門について紹介する。「私にとってはすごく思い入れが深い建物です。狭いんですが、人との距離が近く暖かい場所でした。現在の上海は高いビルが立っていて、昔の住宅を見ることはできないんですが、この作品を通じて人との距離や家族の温かさを描きたいと思ったんです」と明かす。
最後に竹内は「この作品は日本人と中国人の監督が制作し、基本的には現代の中国における人と人との交流が描かれています。中国を舞台にしているといっても、根本の部分は日本人と同じものがあって、共感できる部分がある。その点を丹念に描いたので、ぜひ感想を聞かせていただけたらうれしいです」と観客に呼びかけた。
「詩季織々」は8月4日より、東京・テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほかにてロードショー。
※記事初出時、人名に一部誤りがありました。お詫びして訂正します。
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