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4歳の男児“くんちゃん”と未来からやってきた妹“ミライちゃん”という不思議な“きょうだい”の物語を描いた本作。上白石がくんちゃん、黒木がミライちゃんに声を当てたほか、2人の両親に星野と麻生が扮している。
5月にフランスで開催されたカンヌ国際映画祭の監督週間に出品され、初上映が行われた本作。まず同地での上映を振り返り、細田は「日本の片隅に住む小さな家族の話に笑い声や拍手が起こって温かく観てくださり、本当にホッとしました。映画というのは国を越えて伝わるんだと実感しました」と手応えを明かす。しかし「正直、今日のほうが緊張感がすごい(笑)」と日本の観客への初披露となる本日の上映に顔をこわばらせた。カンヌに赴き細田の横で初めて本作を鑑賞した上白石。「初めてだったので周りの反応より自分の反応が気になってしまい……」と述懐しつつ「本当に素晴らしい作品。早く日本の皆さんに観ていただきたいと思いました」と話す。
細田監督作への参加は「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」に続き3度目となる黒木。細田は「おおかみこどもの雨と雪」のオーディションを「なんて素敵な人と出会えたんだろう」と回想し、「こうして6年経って今や日本を代表する大女優に。でもあの頃の初々しさを失っていない。ヒロイン役をお願いすることができて光栄です」とたたえる。恐縮した様子の黒木は「よく眠れそうです」と冗談交じりにほほえみ、「最初のオーディションを鮮明に覚えていて、すごい楽しかったんです。こうしてまた参加できてすごくありがたい。帯を締め直す気持ちです」と心境を明かした。
続いて星野が演じた“おとうさん”を細田は「父親然とした感じとそうではない部分。その間を揺れながら、“おとうさん”自身が何かを探して追い求める。そんな父親像を魅力的に演じてくださいました」と絶賛。一方の星野は「家族のシーンは家族が並んで一緒に演じることができたんです」と本作のアフレコを述懐していく。シーンごとに細田がブースに入りキャスト陣を演出していたそうで「僕のときは監督ご自身の家族のお話をされるんです。『こういうときはつらかったです』とか(笑)。センシティブな“おとうさん”の気持ちや、監督ご自身の言葉、それを話されているときの横顔が参考になりました」と役作りの一端を明かした。
「久美さん」と呼び、家族ぐるみで付き合いがあるという麻生と細田。“おかあさん”の役は、麻生から着想を得た部分もあったという。細田は「映画本編でも女神のようなんですが、今日、白いドレスを着ている姿を拝見してリアル女神だなと(笑)。星野さんと並ぶと白と黒のコントラストが素敵です……」と照れつつコメント。さらにセリフに関して「ズバッとした言葉だけど、久美さんにかかるとそれがふわっと優しさに包まれるような。セリフ以上の要素が声に盛り込まれていて、感動しました」と続ける。麻生は本作について「共感することばかりで、後半になるにつれて心が揺さぶられて涙が止まらなくなりました。普通の家族、日常をベースに作られていますが、細田さんの手にかかるとそれが普通じゃなくなる。細田マジックだな……と映画に引き込まれました」と語った。
最後に上白石は「家族のつながりや自分自身について考えるきっかけにもなると思います。最後までくんちゃんと一緒に冒険を楽しんでください」と笑顔を見せ、細田は「ご自身の家族のこと、小さいときのことを思い出しながら観ていただくと作品に映っている以上のものが感じていただけるかもしれません。大事なことを思い出せるきっかけになるような作品です。ゆったりとした気持ちでご覧ください」と締めくくった。
「未来のミライ」は7月20日より全国でロードショー。
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