本日6月15日、東京のシアター・イメージフォーラムにて、
フランス芸術文化勲章は1957年に創設された、フランス共和国文化通信省より与えられる勲章。日本における芸術や文学の領域での創造およびそれらのフランスや世界での普及に傑出した人物が叙勲対象となり、シュヴァリエ、オフィシエ、コマンドゥールの3等級に分かれている。
今回シュヴァリエを受勲した深田は駐日フランス大使のローラン・ピックに「なぜこの場所で叙勲式を行おうと思ったのですか」と尋ねられ、「第35回ナント三大陸映画祭でグランプリにあたる『金の気球賞』と『若い審査員賞』をダブル受賞した『ほとりの朔子』を上映した映画館で、自分の特集などもやっていただいているんです。思い出深い場所、映画にゆかりのある場所でやりたかったんです」と説明。穏やかな雰囲気に包まれたまま、叙勲式はスタートした。
ピックから授与されたリボンタイプの徽章を胸元に付けた深田は「5、6歳のとき初めて親に『これが欲しい』と言って買ってもらった小説が、ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』、アレクサンドル・デュマの『モンテ・クリスト伯』でした」と告白。「その2冊にものすごく影響を受けて、小学生のときにそれらをまねた小説を書きました。ヴェルヌはナント市にゆかりの深い作家で、『金の気球賞』もヴェルヌの小説に由来している賞なので、縁があるなと思います」としみじみ語る。さらに「ルネ・クレールやマルセル・カルネ、ジャン=リュック・ゴダール、エリック・ロメールに強い影響を受けました」とフランスの映画監督の名前を挙げ、「ロメールの『映画を作るならバルザックを読まなければいけない』という言葉を真に受けてバルザックを読み始め、『ざくろ屋敷 バルザック「人間喜劇」より』を作ったんです」とほほえんだ。
続けて、深田は「『ざくろ屋敷』を作るときにロワールに行って1週間取材をしたことが、フランスに初めて触れる機会でした。フランスに留学していたアーティストの藤井光さんと話をしたときに、いかに文化の多様性を守るのかという点でフランスの文化行政は進んでいて、日本の芸術家の置かれた状況とあまりにも違うことを知り、強い衝撃を覚えました」と回想。そして「フランス政府の芸術に対する姿勢のいいところを日本に取り込んでいけないだろうかと思ったことが、NPO・独立映画鍋での活動につながっています。フランスにはいろいろお世話になっているので、勲章を与えていただいたことをうれしく思います」と感謝した。
なお「深田晃司映画まつり2018」が、明日6月16日から29日にかけてシアター・イメージフォーラムで開催。上映スケジュールやイベントの詳細は、公式サイトにて確認を。
関連記事
深田晃司の映画作品
関連商品
リンク
- 深田晃司映画まつり2018
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
菱沼康介 演技強化WS! 短編集!! 新作準備中!! @hisikosu
深田晃司がフランス芸術文化勲章を受勲、エリック・ロメールらの影響語る - 映画ナタリー https://t.co/mtZBO9kVxP