「
主題歌であるセックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・U.K.」が鳴り響く中、センターステージを闊歩して登場した一同。拳を振りかざして“パンク”な振る舞いを見せた綾野だったが、開口一番「本日はお足元の悪い中ありがとうございます」と丁寧に挨拶し、東出も「お帰りの際はお気を付けください」と観客を気遣う。
本作について、綾野は「メインキャスト1人ひとりのパンク精神をそのまま持ち込んでいることが、この作品の持ち味になっている」と表現し、北川は「猿がすごいかわいくて癒やされました。女性には猿が響くと思います」とほほえんだ。綾野は「名言!」と爆笑しつつ「北川さん自身がパンク精神を持っている方。紅一点ではあったけど我々と対等で、作品を1mmでもよくしようという思いが伝わってきました。ろん役は北川さん以外ありえない」と太鼓判を押す。
続いて、登壇者たちによる事前アンケートの回答を披露するコーナーへ。「この中で一番パンクな人は?」という質問には、半数以上が石井を指名した。「監督は誰よりも腰が低く、誰よりも丁寧だけど、誰よりもヤバい」と主張する染谷に、石井以外の面々は皆うなずくばかり。綾野からは「撮影初日、監督から 『宇宙と戦ってほしい』と真顔で言われた」というエピソードも。石井が「とにかく面白い映画を、とだけ考えてるんで。自分では全然ヤバいとは思ってないです」とひょうひょうと述べると、登壇者たちは「ほらね?」と言わんばかりの表情を客席に向けた。
また一部からは浅野に対しても「パンクだ」と回答が。浅野はセリフのない役であるにもかかわらず、綾野から「本番中に浅野さんが 『あ、剛くん!』って言ったんです」と自由すぎる演技について暴露される。浅野は「僕は若いときに石井監督のもとで鍛えさせてもらったので宇宙と戦うとはどういうことかわかってたつもりだったんです」と述べ、セリフなしで演じようと自ら提案したことを告白。「まあ平常運転と言えば平常運転でしたよね」と笑う綾野に、共演者たちは深くうなずいていた。
そして最後は「この映画を一言で表現するなら?」というお題に。綾野は「宣伝不可能」と書いた掛け軸を見せ、本作の魅力を言葉にするのが難しいと打ち明けつつ「言葉で説明できることですべてが解決するのであれば、それは本当に素晴らしい映画なのか?と考えると……。こういうことが本来映画のあるべき1つの姿なのかなと、僕は思います」と自分なりの解釈を語る。
そのほか北川は「破壊的でポップなアート」、國村は「感想を言葉にするのは不可能」、近藤は「縛りなしの闇鍋」、若葉は「死ぬほどおもしろい」など思い思いの言葉を伝え、「マジ○○○○」と書いた東出は放送禁止用語のため伏字となり会場をざわつかせる。「ひと足お先にオリンピック」と独特の回答で爆笑をさらったのは豊川。撮影エピソードを問われると「2日目にぎっくり腰になってしまって。綾野くんがセットの中で60分くらいマッサージしてくれました。そういうスキンシップを経たので、翌日の撮影からちょっとキャラを変えさせていただいて」と話して観客の期待をあおった。
キャスト陣の言葉に、石井は「ますますわからなくなりました」と困り果てながらも「自分の目と耳と体で感じてる、そういう映画の楽しみ方をしてください。あなたが正しい!と思います」と観客に呼びかける。宮藤も「皆さんが思う以上に面白いと思ってます。負けません!」と気持ちを高ぶらせ、石井の発言に「その通りです!」と力強く同意。綾野は「1000万人がこの作品を面白いと言ったら日本は終わるかもしれないし、幸福かもしれない。それを決めるのは、皆さんが今どう生きてるかということに直結すると思います。精神状態によって表情や景色を変え、豊かさを見せる作品になっています」と改めて本作の受け止め方を観客に伝えた。
「パンク侍、斬られて候」は6月30日より全国でロードショー。
関連する特集・インタビュー
関連記事
綾野剛の映画作品
関連商品
リンク
- 「パンク侍、斬られて候」公式サイト
- 「パンク侍、斬られて候」予告編
- 映画「パンク侍、斬られて候」公式 (@punksamuraifilm) | Twitter
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u
綾野「メインキャスト1人ひとりのパンク精神をそのまま持ち込んでいることが、この作品の持ち味になっている」/綾野剛や北川景子が宣伝不可能な「パンク侍」アピール、東出昌大は放送禁止用語で - 映画ナタリー https://t.co/Q3HfZ0poG6