撮影監督たむらまさきが79歳で死去、小川紳介や青山真治らの作品で活躍

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撮影監督のたむらまさきが肺炎のため5月23日に79歳で死去していたことが、プロデューサーで映画監督の越川道夫への取材で明らかに。葬儀は近親者のみで執り行われた。

たむらまさき

たむらまさき

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1939年1月26日生まれ、青森県弘前市出身のたむらは1959年から2年間、人形映画製作所で人形アニメーションの撮影に携わったのち、岩波映画製作所と契約。その後、1968年に小川紳介監督作「日本解放戦線・三里塚の夏」でカメラマンデビュー。以降も「三里塚」シリーズすべての撮影を担当し、並行して「修羅雪姫」「竜馬暗殺」といった劇映画のカメラマンも担った。

1982年には柳町光男の「さらば愛しき大地」で毎日映画コンクール撮影賞を獲得。同監督作の「火まつり」のほか、1980年代には相米慎二「ションベン・ライダー」、石井聰亙(現・石井岳龍)「逆噴射家族」、伊丹十三「タンポポ」、池田敏春「死霊の罠」、高嶺剛「ウンタマギルー」といった作品に参加している。

「ドライブイン蒲生」撮影現場でのたむらまさき。

「ドライブイン蒲生」撮影現場でのたむらまさき。[拡大]

1990年代半ばより青山真治をはじめとする新進監督と組み、日本のインディペンデント映画を支える存在に。1997年には河瀬直美の「萌の朱雀」と諏訪敦彦の「2/デュオ」で再び毎日映画コンクール撮影賞を受賞している。青山とは「Helpless」「EUREKA(ユリイカ)」「月の砂漠」など数々の作品でタッグを組んだ。ほかにも黒沢清、佐藤真、鈴木卓爾といった監督の作品に参加。2014年には越川が企画とプロデュースを手がけ、染谷将太と黒川芽以が主演した「ドライブイン蒲生」で、75歳にして監督デビューを果たしていた。

撮影監督としての遺作は2017年に公開された4時間を超える「いぬむこいり」。また昨年は「特集・たむらまさきの眼<マナグ>」と題した特集上映が出身地である青森で行われた。Twitterでは青山をはじめ、俳優の川瀬陽太韓英恵らが哀悼の意を表している。

※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記

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玉置泰紀 エリアLOVE Walker総編集長 @tamatama2

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