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近未来の日本のメガ崎市を舞台とする本作は、“犬インフルエンザ”の流行によって“犬ヶ島”に隔離された愛犬を探す少年アタリと犬たちの冒険を描くストップモーションアニメ。ランキンがアタリ、ゴールドブラムが犬の1匹であるデューク、野村がメガ崎市の市長・小林に声を当てた。
大きな拍手と歓声によって迎えられたアンダーソンは「日本の皆さんの前でこの作品について語れることが、僕にとってのゴールでした」と挨拶。影響を受けた日本映画に伊丹十三の「タンポポ」や黒澤明の「羅生門」を挙げたアンダーソンは「日本からインスパイアされたものが“僕の日本”としてこの映画の中に入っています。前回初めて来日したときに、ぜひ日本で映画を撮りたいと思いました。実際に日本で撮影はしていませんが(笑)、そのことがきっかけでこの映画が生まれました」と語る。
本作に出演している日本人キャストは野村から紹介されたとアンダーソンが話すと、「グランド・ブダペスト・ホテル」にも出演した野村は当時の撮影を振り返りながら「ブダペストでは、キャスト全員同じホテルで必ず一緒に夕食を取っていたんです。だから、本作でもお互いよく知っている関係の人がいいかなと」と説明。またRADWIMPSの野田洋次郎について、もともとは違う役だったと明かした野村は「録音をウェスに送ったら『この子は絶対にニュースキャスターに向いてる声』って言われて。洋次郎に今度は天気予報を読んでってお願いしたらびっくりしてました(笑)」とエピソードを披露した。
アンダーソンが構想から数えると6年間本作に携わっていることに触れたゴールドブラムは「自分の場合はたった2時間だけの録音だったんだ」とジョークを交えつつも「でも、ベルリンで初めて完成した作品を観たときに衝撃を受けたよ。音楽やほかの犬たちとのセリフが、ジグソーパズルのようにぴったりと組み合わさっていたんだ。僕は3回観たけど、何回も観るべき素晴らしい映画だ」と称賛。ランキンも第68回ベルリン国際映画祭にて、完成した本作を初めて観たことを明かすと「感動しました。ストップモーションとは思えないくらい色や音がすごかったです」と回想した。
ストップモーションアニメの魅力についてアンダーソンは「手作りの職人たちと一緒に仕事できることが一番の喜び。この映画は、キャストとアニメーターによって半分ずつ命が吹き込まれているんです」と述べる。最後にアンダーソンは日本の観客に向けて「心を込めてこの映画を作りました。本作を作った人たちの、日本の人々や文化に対する敬愛を感じ取っていただければ幸せです」と語りかけ、イベントを締めくくった。
「犬ヶ島」は5月25日より全国でロードショー。
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