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日露交流年記念および南海放送開局65周年記念として製作される本作は、日露戦争中の愛媛・松山ロシア兵捕虜収容所を舞台に、日本人女性とロシア軍少尉の恋を描く人間ドラマ。
「孤狼の血」の阿部が2018年を生きる駆け出しのテレビディレクター・桜子と、日露戦争時を生きた女性・ゆいの1人2役を演じ、ロシア人俳優のロデオン・ガリュチェンコがゆいと惹かれ合っていくソローキンに扮する。さらに捕虜収容所長役でイッセーが、実在の人物・ボイスマン大佐役でアレクサンドル・ドモガロフが出演し、山本陽子や斎藤工もキャストに名を連ねる。
2004年に第1回日本放送文化大賞ラジオ部門グランプリを受賞したラジオドラマ「~松山ロシア人捕虜収容所外伝~ソローキンの見た桜」を手がけた田中は、「戦争のさなかに松山にできたロシア人捕虜収容所は、塀のない捕虜収容所でした。当時松山は5人に1人がロシア人でしたが、ハーグ条約が守られ、2年間ノートラブルだったんです。当時亡くなった98人のロシア兵たちのお墓を、今でも地元の人々が掃き清めている。そんな事実をぜひ発信したいという思いが、このドラマを作った動機でした」と振り返る。オールロシア語、ロシアロケの作品「レミニセンティア」を監督した経験のある井上は「日露友好作品として、非常に価値のある重要な映画になると思っています。自分ができる力をすべて注いで映画を制作していきます」と意気込みを語った。
1人2役を務める心境を聞かれると、阿部は「とっても緊張しています。責任重大ですよね」とはにかむ。この日、自ら希望して劇中衣装で登壇したイッセーは「ロシア大使館で製作発表と聞いて、スーツよりもこの衣装がいいと思って。着てきてよかった」と笑う。そして「この収容所のことは、子供の頃から知っていました。(そこでハーグ条約が守られていたということが)信じられなくて、ちょっぴり誇りに思っていたんです。その映画に出ることができて光栄です」と胸を張った。
会見の後半には、ロシア人キャストからのコメントが代読された。「松山での撮影、そして日本人の役者と交流できることを楽しみにしています。忘れられないほど大事な経験になると思います」というガリュチェンコの言葉を受け、阿部は「ロシアの俳優の方とお仕事をさせていただくのはこれが初めて。監督から、すごく演技派の方だと伺ったので、たくさん学ばせていただくべくお会いするのを楽しみにしています」と共演の喜びを語る。またドモガロフから「相手役のイッセーさんにお会いできることを楽しみにしています。『沈黙-サイレンス-』に出演され、インパクトのある演技をされたと聞きました」というメッセージを送られたイッセーは「2人の交流がどんなシーンになるのかとっても楽しみです」と返した。
最後に阿部は「日本とロシアの映画交流1作目に出演させていただくので、今から胸がいっぱいです」と期待を込める。そしてイッセーが自身の演じる役に関して「捕虜の人権をどこまで尊重するのか、日々悩んだと思います。そういう苦悩やジレンマを、いっぱい体験したいと思います」と語り、会見は終了した。
「ソローキンの見た桜」は2019年春に全国ロードショー予定。6月に松山にて、7月下旬よりロシア・サンクトペテルブルクにて撮影が行われる。
ちょこお @oekakiyou39119
日露交流年記念「ソローキンの見た桜」製作、1人2役の阿部純子が「責任重大」(写真18枚) - 映画ナタリー https://t.co/HSpKNoLJbv
ほー…。気になるねえ。