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全編奈良で撮影された本作は、幻の薬草“Vision”を探すフランス人エッセイスト・ジャンヌと、吉野の山守・智が心を通わせていくさまを描く物語。ジャンヌ役をジュリエット・ビノシュ、智役を永瀬が務めた。
河瀬は、若い女性の多い客席を見渡し「今日は、私の映画をよく観るシニア層がおらず……」と口を開き、「原因だね(笑)」と山守・鈴役の岩田を指す。そんな河瀬に「これはどういう反応になるのかが……ね」と振られた岩田は「楽しみです」と笑う。永瀬は本作の現場を振り返り「監督が書いた脚本に『今日は雨が降るよ』というセリフがあると、本当に雨が降ってくるんです。監督はそういうところがあるんです」と真剣に訴え、河瀬自身も「魔法が使えるんです」と自信満々に述べた。
不思議な力を持つ老女・アキ役の夏木が「また人じゃない役をやらせてもらって……」「奈良の山の歴史が1000年なら、アキにも1000年の歴史があって。アキは山と一体というか……もう山です!」と言うと、岩田は声を出さずに爆笑。そんな岩田は、撮影のために特殊伐採の技術を学んだことから「ロープ1本で木に登っていって、その先の枝をノコギリで切り落とすんです。吹替なしで自分でやりたかったので、数日間練習したんですが、意外となじんできて。これ、向いてるのかなと思いました。もし転職するなら、山守になりたいという新しい発見がありました」とコメントした。
後半には河瀬から男性陣へ「ジュリエットは現場でジャンヌとして生きていた。役を演じるうえで、ジャンヌに惹かれた理由は?」と質問が。猟師・岳役の森山は長考の末に「僕の場合は、獣同士というイメージがありました。匂いみたいなものですかね」と回答。岩田は「目が合うと、お互い不思議と何かを感じたんです。初めて会った気がしないというか。クランクアップのあとビノシュさんからそういう連絡をいただきましたし、僕自身もそう感じていました」と明かし、永瀬は「ハートの先を見られているような感じがするんです。智はいろんなものを抱えていた役なんですが、そこも最初からちゃんと見てくれた」と振り返った。
それを受けた河瀬の「これらは、この男性陣が惹かれる女性像かもしれません」というまとめを聞いて、永瀬は「心? いいこと言っちゃったな」と照れ笑いを浮かべる。また河瀬が「“まぐわい”って、“目が合う”が語源なんです。目が合えば、まぐわうんです」と自らの質問の意図を解説し始めると、「岩田くんが正解?」と永瀬に言われた岩田は静かにガッツポーズしていた。
最後に河瀬は「吉野で起こった不思議な物語ですが、みんなはここにリアルに生きていました。みんなに会いに、映画を観に来てください」とファンに呼びかけ、舞台挨拶を締めくくった。
「Vision」は6月8日より全国ロードショー。
※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記
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- 「Vision」公式サイト
- 「Vision」予告編第2弾
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「Vision」J・ビノシュのどこに惹かれた?河瀬直美問う、岩田剛典はガッツポーズ
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