第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された
犯罪で生計を立てながら東京の下町でひっそりと暮らす一家の姿を描く本作。カンヌ国際映画祭には通算7度目の参加となった是枝のほか、キャストの
ゲストたちはカンヌの夜空の下、大勢のマスコミや観客があふれる中、仲良く手をつないでレッドカーペットに登場。劇中曲となった細野晴臣の楽曲に合わせゆっくりと会場に向かう。2200席を有する会場のグランド・シアター・リュミエールは満席。上映が終わるとスタンディングオベーションが約9分間続き、思わず涙を流すキャストも。その後、是枝はキャストとともに手を振るなどして歓声に応えた。
その後行われた日本メディア向けの囲み取材には是枝、リリー、安藤、松岡、樹木が参加。公式上映の手応えを是枝は「2時間緊張感を失わずに作れたなと思っていたのでちょっとホッとした部分と、終わったあとの拍手が夜中にもかかわらずあんなふうに温かくそして長くいただけたので本当によかった」とコメント。また映画については「“血を越えてつながる家族というのがあり得るのか”を自分なりに考えながら作った映画です。今日1日で13人くらいの記者の方に取材を受けたんですが、そのうち3人が実は自分が養子であるという方だった。すごく切実なんですよ。この映画はある種特殊な家族を描いてはいますが、根底に流れる問いかけは普遍的なものかもしれません」と明かす。
父・柴田治を演じたリリーは「撮影から間もないので、今回はやっと観る側の立場として観れた気がするのですが、改めて素晴らしいと思いました。皆さんの表情から本当に思いの込もった拍手だと感じたので、いい経験をさせていただきました」と感慨を述べた。
カンヌ国際映画祭へは初参加となった治の妻・信代役の安藤と信代の妹・亜紀役の松岡。母親の安藤和津を映画祭に連れて来ているという安藤は「今日は母の日ですし、ここはいっちょ親孝行したろって思いまして(笑)。母を連れて来ることができました。末っ子の私が、やっと母の夢を叶えてあげることができてよかったなと思います」と笑顔を見せる。松岡は「私みたいに飛びぬけて華やかなルックスじゃなかったりとか秀でたものがない人にも、チャンスとかラッキーとか奇跡ってあるんだなと思って。でもそれがチャンスとかラッキーじゃなくて、私ががんばりましたって胸を張って、ここにまた戻って来たいなと思ったので、これからもがんばります」と意気込んだ。
「万引き家族」は、6月8日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国にてロードショー。
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