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きらびやかなムービングライトの中、キャストは花道から登場。ちょんまげ姿で花道上にせり上がってきた阿部は、おとといから大阪入りしているため「取材をさせていただいた中でも2日間、おいしい食事をいただきまして……。ですが本日ここにいる皆さまの包み込むような笑顔に、一番“大阪”を感じています」と挨拶する。初めて松竹座に登壇し、スッポンを使用した感想を聞かれると「まさかあんなところから出てくるとは(笑)。スタッフさんが僕の身長を見誤ったのか、意外と低くて。普通に立ったら皆さんに見えてしまうくらいだったので、ちょっとしゃがんで待っていました。なのでせり上がりは僕の自動です(笑)」と裏話を明かした。
撮影時の話になると、阿部は初共演の豊川に対し「鶴橋組をよく理解されていて、このたたずまいで、現場でも揺るぎないお姿でした。そんな豊川さんの存在が非常に助かりましたし、豊川さんは本当に“名シーン”を作り出すことができるお方だと思いました」と褒めたたえる。一方の豊川も「とても真摯で命を懸けて映画に向き合う阿部さん。同じ方向を向き、同じ熱量でいてくださる阿部さんとは心地いい時間を過ごしました。今度ごはん行きましょう(笑)」と語りかけた。和気あいあいとした様子を見て、鶴橋は「まさしく本編の寛之進と清兵衛のようだった」と嬉々として2人の関係性に言及する。
また阿部は文枝のクランクアップ時、鶴橋から「阿部も何か言え」と言われ、文枝に向かって「いらっしゃーい」と本人のギャグを口にしてしまったことを悔やんでいると告白。「役者人生で一番静寂を感じました」と嘆く阿部に、文枝は「いやいや、高く包み込むような素晴らしい『いらっしゃーい』でしたよ。阿部さんは本当に何をやってもお上手なんですから」とフォローして笑いを誘う。そして文枝は改めて「映画『のみとり侍』をご覧にいらっしゃーい!」とギャグを披露。さらに文枝から促された阿部、豊川、鶴橋も3人で「いらっしゃーい」と声をハモらせ、会場を陽気な笑いで包み込んだ。
5月18日公開作「のみとり侍」は、女性に愛を奉仕する裏稼業“のみとり”に従事することを命じられたエリート藩士・小林寛之進の苦闘をコミカルにつづる物語。阿部、豊川、文枝のほかに寺島しのぶ、斎藤工、風間杜夫、大竹しのぶ、前田敦子、松重豊らがキャストに名を連ねる。
※「のみとり侍」はR15+指定作品
阿部寛 コメント
松竹座という舞台でやらせてもらえたというのは自分の中で非常に嬉しかったです。せり上がりから出てきた時のお客さんがとても温かくて、映画を観てくださった後でしたし、尚更笑顔でいてくださったのでしょうか。
非常に良い手ごたえを本日のお客さんから頂きました。役衣装は一年ぶりに着ましたが、撮影の時のことを思い出しますね。懐かしいです。そして個人的にずっとトラウマだった「いらっしゃーい」。
それがおかげさまで今日晴れました、ありがとうございました(笑)。
本作は人間の負の部分を明るくポップに描いています。江戸の青空の下で歩く我らのことを楽しんで見てもらえると嬉しいです。お気に召して頂けたら、是非周りにも広めていってください。
豊川悦司 コメント
大阪で、このような素晴らしい舞台を揃えていただいて、監督、阿部さん、そして何より文枝師匠の生トークを傍で聞くことができて、光栄です。本当に良い思い出になりました。ありがとうございました。この衣装、まさかもう一回着れるとは思っていなかったのでとても楽しませて頂きました。自分的に今日で清兵衛とはお別れかと思うとすごく寂しいのですが、皆さんは是非スクリーンに会いに来てください。
桂文枝 コメント
やはり阿部さん、豊川さん、役者さんは違いますね。背の高さもそうですけど、立ち居振る舞いというか佇まいがすごい。
本作に出演したことは、人生の中でもとても良い経験をさせて頂きました。阿部さんの「いらっしゃーい」は面白いし、素晴らしかったですね。(阿部さんの)包み込むような、高いところの「いらっしゃーい」、お上手でした。さすがでした。きっと練習してくださったんでしょうね(笑)。本作はこれから落語をするのに良い勉強になったので、是非皆さんにも楽しんで頂きたいですね。
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