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第12回大阪アジアン映画祭で観客賞を受賞した本作は、女優・脚本家・演出家として香港で活躍するキーレン・パンが12年間演じてきた一人芝居を自ら映画化した初監督作品。まもなく30歳を迎える対照的な2人の女性の日常が描かれる。「西遊記~はじまりのはじまり~」のクリッシー・チャウ、歌手としても活躍するジョイス・チェンが出演した。
イベントはマンガ研究家のトミヤマユキコが聞き手となり、対談形式で進行。舞台から映画に作り変える際に感じた苦労として、キーレン・パンは製作時間の違いを挙げる。「舞台はだいたい5、6カ月で上演までできますが、映画は短くても長くても2年はかかります。映画監督に挑戦するのも初めてでしたから、スタッフも知らない人ばかりでこちらが求めるものを伝えるのにも時間がかかりました」と述懐。「お互いに包容力と忍耐力が必要だとつくづく感じました」と振り返った。
続いてキーレン・パンは、本作が生まれた背景として友人とのエピソードを明かす。「親友が26歳を超えたら誕生日のお祝いはしないと言っていたんです。理由を聞くと『誕生ケーキに3という数字が表れるのがどうしても嫌だ』というので、驚いてしまって。そして脚本を執筆する際に、自分自身とも対話を重ねたんですが、私たちが恐れるのは年齢ではなく、人生の中で発生する予測不可能なことや迷いだと思ったんです」と分析。そして「この映画は決して30歳という世界を表現しているのではなく、人生で直面しなければならない問題を描いています」と語った。
トミヤマは本作について「女性は人生の前半戦において、仕事や結婚、出産などで判断を迫られる場面があまりにも多く、そんな女性を主人公にしたマンガが数多くあります。そういう作品が好きな人にこの映画は刺さるのでは」と感想を寄せる。それを受けてキーレン・パンは「この作品は不思議な力を持っている気がしてきました。映画を通して、観客の皆さんに温かい希望を分け与えることができたらと思います」と笑顔を見せた。
「29歳問題」は5月19日より、東京・YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次公開される。
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