日本のアクション界に携わる関係者によるトークイベント「アクションサミット」が、東京・LOFT9 Shibuyaで本日3月17日に開催された。
イベントには横山誠、辻井啓伺、舟山弘一、大島遥、
本年は、昨今主流となっているビデオコンテに関するトークからスタート。ビデオコンテとは台本をもとに、スタッフ間で動きのイメージを共有するために作られる映像資料。後々の準備の時間短縮にもなるため利点があると考えられるが、横山は「弊害もあるのでは」と問いかけ、「120%のものすごいスタントは1回しかやりたくないし、ちゃんと撮ってほしいと思う。1回に懸けてちゃんとパフォーマンスする機会が減ってきているのも弊害だと思う」と主張する。
ほかにも実際にドラマ「精霊の守人」などでスタントダブルを務める大島の「ビデオコンテがうまくいったのに本番で失敗するのがプレッシャー。それに映像で先に見せてもらうと、すぐできる簡単そうなものに見られて『同じやつできるでしょ?』と言われてしまう」という意見など、アクションの現場で働く者たちからの生の声が上がった。
野呂は、カースタント / カースタントコーディネーターを担当した「HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY」のアクション監督・大内貴仁について「面白いコンテを描いてくる」と切り出す。同日開催された第6回ジャパンアクションアワードで、カースタントでの格闘シーンがベストアクションシーン賞の最優秀賞に輝いた同シーンにて、縦回転した自動車を運転していたのも野呂。「あれだけは今回やらせていただいて大満足でした」と目尻を下げた。
観客とのQ&Aコーナーでは、「どんなときに仕事で達成感を感じた?」と質問が。ここから登壇者たちは1人ずつ自身の経験について話していった。辻井はスタントマンを目指したきっかけまでさかのぼり、「机から落ちるのでもなんでも、やってみると現場で自然に拍手が出る。緊張感の中で思い切りやったとき、喜んでくれる人がいて拍手が起きるのを聞くと、またやったろう!と常に思います」と語る。またアクション監督として、「スタントマンには『このスタントは世界でお前だけがやるんだよ』と言ってやる気を出させる。目が泳いだらやらせない」と独自の判断方法に言及。
松岡と菊地は「仮面ライダーアマゾンズ」シーズン2でスーツアクターを務めた。松岡は東京・シアターGロッソでキャラクターショーに4年間出演した経験について回想し、菊地は初めてのレギュラー作品として同作に携わった思い出を述懐。同じくスーツアクターとしても活動する和田は「主演の俳優さんがちゃんと売れたときはよかったと思う。担当した人が売れたり、また別の番組で一緒にやった作品のことを話してくれるとうれしい」と明かす。
“レジェンド組”の話になると、衝撃の回答に客席がざわめく場面も。特撮ドラマ「太陽戦隊サンバルカン」「大戦隊ゴーグルファイブ」などでスーツアクターを務めた伊藤は、3回宙返りで首を骨折し、四肢麻痺になるも奇跡的に復活したことを説明。しかし“達成感”はリハビリ成功についてではなく、「その後、2回宙返りに挑んで成功したとき」と続けて登壇者、観客ともども驚がくさせ、「現場でアクション監督にやれと言われたら、やれませんとは口が裂けても言えない。『じゃあお前いらないよ』と言われてしまう世界なので。自分に負けたくないという気持ちで恐怖心に打ち勝ちました」と続けた。
アクション談義が続く中、横山は「ちょっと変わった人が多いですけど、僕は魅力的だと思います。スタントマンたちも一生懸命。役者ほど華やかじゃないけど、応援してあげてください」と観客に呼びかけ、本年の「アクションサミット」を閉会した。
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