本作は、1918年の発刊から今年で100年を迎える童話と童謡の雑誌・赤い鳥を題材に、大森演じる詩人・北原白秋とAKIRA扮する音楽家・山田耕筰の交流を描く人間ドラマ。「メアリと魔女の花」の坂口理子が脚本を担当し、「半落ち」の佐々部がメガホンを取った。
2月26日に開催された同会見の前には、白秋の詩集「思ひ出」出版記念パーティシーンの撮影も行われた。富士屋ホテルの宴会場にてクランクアップを迎えた大森は、同シーンで号泣したことに触れ「最後に泣いて終わるとは思いませんでしたが、楽しく撮影を終えることができました」と共演者とスタッフに感謝を述べた。
その後の会見で、大森は白秋について「こんなに破天荒でわんぱくな人物であったことを初めて知りました」と述べ、続いてAKIRAも自身の役柄を「白秋さんをまるで奥さんのような大きな心で受け止めていた方で、撮影のときはそのような気持ちで隣にいました」と語った。2人の関係について佐々部は「2人のコンビネーションがとてもうまくいったので、夫婦のようでもある奇妙な友情の物語が作れればいいなと思いました」と振り返った。
白秋が師と仰ぐ与謝野鉄幹と与謝野晶子の夫婦を演じた松重と羽田。「羽田さんと夫婦漫才のような呼吸でやることに命を懸けておりました」と松重が目を合わせると、羽田も「とても有名な夫婦ですが、純愛を貫いているんです」とほほえんだ。また、赤い鳥の創刊者・鈴木三重吉役を務めた柳沢のおしゃべりを回避するのに苦労したとこぼした松重が、演技に集中してもらうために「本日もできれば(柳沢に)3行ほどのセリフを与えていただきたかった」と冗談を飛ばすと、柳沢は「3行もあったらシュンとしちゃう!」とマイクなしで応答。柳沢にマイクを回そうとする司会を「マイクを与えないでください」と松重が制止し、笑いを誘った。
白秋の最初の妻・松下俊子役の松本は「監督が『白秋と俊子は時代の先を生きてほしい』とおっしゃったので、あまり時代感を出さず、ふわふわと鳥のような女性を演じました」と役作りを語る。3番目の妻・菊子に扮した貫地谷が、夫・白秋について「いちいち反省するところがかわいらしくて。大森さんが母性本能をくすぐりにかかっているなと思いました」と述べると、大森は「台本通り、台本通り」と照れた様子を見せた。
質疑応答で記者から、互いの印象について質問された大森とAKIRA。大森は「もっと怖い人かなって思ってたんですけど、すごくいい人で。大好きです」と笑顔で告白。続いてAKIRAも「ご一緒する前に大森さんが怖い役の映画をいっぱい観てしまったので、最初はめちゃくちゃ緊張したんですけれども(笑)」と打ち明け、「でもすぐ打ち解けて一緒にカラオケで『この道』を熱唱しました。僕も大好きです」と思いを伝えた。
「この道」は2018年秋以降にロードショー。
※記事初出時より、内容を一部変更しました。
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