第68回カンヌ国際映画祭批評家週間に出品された「
パレスチナ自治区ガザの小さな美容院を舞台に、戦火の中で生きる13人の女性をワンシチュエーションで描いた本作。離婚調停中の主婦、ヒジャブを被った信心深い女性、結婚を控えた若い娘、出産間近の妊婦といった人々が、美容室の外で起こる戦闘におびえながらも彼女たちなりの抵抗を示していく。
本作の監督であり、ガザで生まれ育った双子の
タルザン&アラブ・ナサール コメント
ガザ地区の女性たちは、頭からつま先までベールで覆っていて、外の世界の価値観を知らないというようなお決まりの姿で描かれる。でもほかの地域の女性と同じように、彼女たちは幸せを感じたり悲しんだり、日々の問題に向き合い、恋もするし、自分の意見も持っている。僕らは、そんな人々の暮らしを映画にしたかったんだ。映画では、外で戦闘が起こっても、女性たちは美容室の中でメイクをしたり、髪形を整えたりしている。誰もが夜の予定に行けることを望み続けてるんだ。恋人との待ち合わせや結婚式なんかをね。彼女たちは変わらず自分たちの日常を生きているわけだからね。レジスタンスは、常に身体的な抵抗を意味するとは限らないんだ。メイクをすることやヘアスタイルについて相談することも、レジスタンスになり得るし、それが人を生きることや希望に向けさせるんだ。 戦争中であっても、彼女たちは常に人生を選択している。僕たちは“虐げられたパレスチナの女性”ではなく、人々の暮らしを、死ではなくて人生を描かなきゃならないんだ。
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弁護士神原元 @kambara7
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