基礎や風呂、トイレ、一部外壁以外はほぼ通常の住宅と同様に作られたこのセットだが、実際にここで撮影が行われるのは約10日間のみ。小道具を含めた細かい作り込みに、吉沢も「この映画のためだけに建ててもらって、感動ですよね。終わったら壊しちゃうわけですから……。キャラクターのこだわりが詰まった種類の違うオブジェみたいなものもあって、『これは誰の趣味なんだろう?』って考えながら観るとすごく面白いですね」とコメント。桜井とともに「ここに住みたい」「家具とか欲しいよね、くれないかな?」と笑い合った。
この日に撮影されたのは、遊が両親Sに進学について相談するシーン。4人の両親Sキャストは、“遊が将来のことを話す”という状況を想像し、それぞれの立ち位置についてディスカッションを重ねる。廣木とともに「ここで私が遊の前に座る? 遊のお母さんじゃないのに?」「でも再婚した今はお母さんだから」「血を分けているから、(中山演じる)千弥子に同意を求めるべきだと思う」と複雑な家族関係を分析しながら細かい流れを決定していく。また撮影の合間に吉沢と談笑していた谷原が「仕送りが大変になるなあ……」とアドリブを入れ、場を和ませる一幕もあった。
桜井は「ほかの映画では見たことのないルックにしたかった」「彼女が内に持っているものを出せば天真爛漫な光希になる」という理由から光希役に決定。そして桜井と初の本格共演となる吉沢は、2016年の出演作「オオカミ少女と黒王子」のプロデューサーでもある松橋真三と北島直明の「たいそう素晴らしい顔面をしていらっしゃる」「とっくにスターになっていてもおかしくないほど、今にも爆発しそうなエネルギーを感じた」という考えから遊役に抜擢された。桜井は、吉沢の印象を「これだけお顔が美しいと、あんまりしゃべらないのかな?と思ったんです。でもすごくフレンドリーで、たまにポロッと出る私の岡山弁をまねしてくれて、雰囲気が和むんです」と語る。また「本読みの早い段階で吉沢さんに『光希は等身大に近いよね』と言われて、いつも全体を一歩引いて見ている遊と重なってドキッとした」と述懐。吉沢は桜井について「ふわっとかわいらしいイメージでしたけど、実は芯が強い女性。どしっと構えている感じが素敵。光希のまんまだなって思う」と述べた。
原作マンガには、数々の“名キスシーン”が登場。この映画でもクローゼットに隠れてのキスや、保健室のベッドで寝ている光希に遊がそっと口付ける場面があるという。吉沢は保健室でのキスシーンの撮影を「超緊張しました。角度や速度を考えちゃうっていう意味で“邪念”が生まれて、モニターで自分の映像を見たらめっちゃ目がピクピク動いていました(笑)」と回想する。反対に桜井は「目を閉じていたので、いつ来るんだろう? 薄目を開けたい!って自分と闘ってました(笑)。光希としてリアルにキュンとしました」と振り返った。あくまで吉沢の芝居やカメラ映りに関する計算について「変な言い方で申し訳ないですけど、お上手だから……」と尊敬の念を込める桜井だったが、その誤解を生みそうな言い回しに吉沢から「おい!(笑)」とツッコミが。吉沢は「こんなにガッツリした、キスシーンらしいキスシーンは初めてだったので、美しく見せるにはどうしたらいいかすごく考えました」と付け足していた。
「ママレード・ボーイ」は4月27日より全国ロードショー。
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