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佐伯一麦の同名小説を原作にした「二十六夜待ち」は、福島県いわき市を舞台に、記憶を失くした男・杉谷と震災で何もかも失った女性・由実の姿を描く恋愛劇。杉谷を井浦、由実を黒川が演じた。
いわきの人々と知り合ったことがきっかけとなり本作を制作した越川は、「“生きていかなければね”っていうのは(アントン・)チェーホフが書いたセリフですが、そういう思いを込めたつもりです」と語る。
またこれが20代最後の出演作となった黒川は「20代の最後は大きな作品をやりたいと思っていました。そしてこういった難しくもやりがいのある役を演じることができたので、素直にうれしい。集中できる作品で、悔いなく20代を終われると思いました」と明かした。
かつて映画宣伝と配給に携わっていた越川は、2004年の「青い車」からの付き合いである井浦について「もっとも信頼している人」と話す。さらに「『今回は普通のお父さん役だよ!』っていう小さい役から、テロリストのような特異な役まで、本当にいろんな役をやってもらってきた。『新さんがいれば大丈夫』という信頼感があります」と続ける。また本作のコピーとなっている「月と波がひかれあうように、愛して。」は、現場で井浦が放った言葉だそう。越川と井浦は「『越川さん、わかりました! 月と波なんですね』って言ってたよね」「杉谷と由実はなんで惹かれ合ったんだろうと現場で探っているときに、はっとして。興奮して話しましたね」と振り返った。
越川との出会いを「そもそも役者を目指してこの世界に入ったわけではなかったので、何本か作品に出たあと、芝居から身を引いてしまった時期がある。そんなときに、『青い車』でもう一度僕を引っ張り出してくれたのが越川さんなんです」と振り返る井浦。越川に「どこの事務所にいるのかもわからなくて、探したよ!」と言われると、「あの時期はちょっと消えたくて……」と率直に返す。さらに本作の撮影は「誰も知らない」などで是枝裕和とタッグを組んだ
またこの舞台挨拶には山崎も来場しており、黒川は「山崎さん、私を撮るときより新さんを撮るときのほうが興奮してましたもんね」と発言。井浦と越川も「芽以さんを撮ればいいのに」「興奮して、鼻息がね」と笑う。さらに越川は「味噌汁をどう味見するのかについて、黒川芽以と山崎裕は親子のように喧嘩していたんです。和解したみたいですが(笑)。どう味見したかは映画を観てほしい」と裏話を披露して笑いを誘った。
イベントの最後には、越川が「映画の中で杉谷は野の花を摘んで、毎日部屋に飾っています。一番最後にある花が出てきて映画が終わるんですが、その花にはある思いを込めました。それが2人のこれからであるし、いわきの人たちに対する僕の思いでもある。ぜひ見届けていただけるとうれしいです」と観客にメッセージを送った。
※「二十六夜待ち」はR18+指定作品
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やす🧐 @crzrainbow
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