映画「信長協奏曲」の宇山佳佑によるオリジナル脚本を「テルマエ・ロマエ」シリーズの
クランクインから1カ月ほど経った5月下旬、撮影は栃木・足利にて行われた。舞台となるのは、1999年頃まで足利東映プラザの名で営業していた映画館を改修した“ロマンス劇場”。外壁にはネオンや手描き風看板が掲げられ、エントランスをくぐるとロビーには売店が。ラムネ・ソーダ45円、ビスケット64円、ピーナッツ1袋10円といった値札や、クラシック映画を模したポスターが目に入る。廊下もスタンドグラスやタイルでカラフルに装飾され、1960年代の雰囲気を再現したクラシカルな内装だ。
“ロマンス劇場”での撮影はこの日が初めて。館内では、美雪と健司が出会うシーンが撮影されていた。薄暗い劇場内で、落雷とともにスクリーンから飛び出てきた美雪。白いドレスをまとい、ボサボサの髪で客席の間を這う“プリンセス”を見つけ、健司は「うわー!」と叫んで腰を抜かしてしまう。すると美雪は床に転がっていたラムネの空き瓶で健司の頭を殴り、「気安く触ろうとするからだ!」と一喝。坂口の情けない声と綾瀬の思い切りのよさに、カットがかかると現場の至るところから笑いが起こった。
実際に“ロマンス劇場”に足を踏み入れて、綾瀬は「赤のじゅうたんがレッドカーペットみたいで素敵です。椅子のえんじ色も。いい雰囲気ですね!」と感想を口にする。坂口への印象は「素直な方です」とコメント。そして「すごく繊細な方だなとも思うし、バランスが素敵だと思います。いち視聴者として(笑)」とマイペースに述べ、坂口の笑いを誘う。一方、坂口は「綾瀬さんとお芝居していると、笑おうと思って笑うんじゃなくて笑顔が出てくる。きっと綾瀬さんの持つ雰囲気がそうさせるんだと思います」と初共演した印象を語る。
坂口は、本作の現場にていじられキャラとして認定されているという。褒められても謙遜せず「そうっすね」などと答えるキャラクターを確立させてしまったようで、「ふざけて言っていたら引けなくなっちゃいました(笑)」と苦笑い。嘆く坂口の姿に、綾瀬は「やっぱり素直だなという印象です」とほほえむ。1つひとつのエピソードに大笑いする2人を見て、武内は「綾瀬さんのほわっとしたもので包まれたピュアさと、坂口くんの朴訥としたピュアさ。種類の違うマッチングがうまくはまった。最近2人が似て見えるんですよね。同じ親から生まれてきたんじゃないか?って(笑)」と満足げな表情を浮かべた。
本作の大きな見どころは、1930年代の映画から飛び出てきた美雪が、モノクロの姿から次第に色付いていく過程。武内は「リアリティを意識しつつ可能な限り色をちりばめて、カラフルな印象の映画になるようリクエストしました」と本作をアピールする。また綾瀬は「美雪と健司のまっすぐで一途な思いが美しくもあり、切なくもあり。でも夢みたいな心地いい世界でもあるので、そのあたりを感じてほしいです」、坂口は「台本を読んでもお芝居をしていても、とてもロマンチックな作品。2人の抱きしめたくなるような関係性を楽しみにしていてください」と呼びかけた。
※西岡徳馬の徳は旧字体が正式表記
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