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これは第30回東京国際映画祭の特集企画「映画監督 原恵一の世界」のイベントとして行われたもの。「はじまりのみち」は、「二十四の瞳」などで知られる映画監督・木下惠介の生誕100周年を記念し、2013年に公開された作品。加瀬が木下を演じ、原が初めて実写映画で監督を務めた。
映画「陸軍」製作時のエピソードを背景に、木下と彼の母の物語がつづられた本作。もともと木下のファンであることを公言していた原は、製作のきっかけを「松竹から頼まれたんですよ。木下監督が書いた、あるエッセイをもとに脚本を書いてくれと。書き終えた時点で誰が監督やるんだろうって考えたら、自分しかいなかった」と回想する。
本作の出演オファーを受ける前から原の監督作「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」などを鑑賞していたという加瀬。脚本を読んだ際の印象を「木下青年がやりたいこと、譲れないことに共感してしまったんです。それが原監督が描いてきたことと重なっていて」と振り返る。そして木下の映画や資料に触れ、役作りの糧にしていたことを明かした。
続いて原は「生身の人間が違う人間になる瞬間を見れたのは刺激的だった」と、アニメーション監督ならではの視点で実写映画の撮影現場を述懐。加瀬について「シリアスなシーンでは、最初から怒った顔で現場に入ってくるんですよ。もう怖くって(笑)」と話し、「やっぱりアッバス・キアロスタミ、北野武、クリント・イーストウッドの映画に出てる役者は違うな!」と褒めちぎる。加瀬は「やめてくださいよ(笑)」と照れ笑いを浮かべた。
最後に原は木下について「世界で一番尊敬していて、大好きな監督。この映画をきっかけに木下監督の作品をぜひ観てほしい。松竹から頼まれたわけじゃないですけど(笑)」と語り、「永遠の人」「カルメン故郷に帰る」の2作を木下の入門作品として挙げた。
第30回東京国際映画祭は、本日11月3日までTOHOシネマズ 六本木ヒルズほかで開催。
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