本日10月31日、「
AV女優である紗倉の同名小説をもとにした本作は、アダルトビデオ業界と関わりを持つ3人の女性たちの物語。東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われたイベントでは、まず司会者から「実際に演じてみてAV女優のイメージは変わったか」とキャストたちに質問が投げかけられる。平凡な日常から新しい世界へ足を踏み入れる主婦・美穂を演じた森口は「イメージはだいぶ変わりました。渋谷とかを歩いていて、この中にどれだけそういう女の子がいるんだろうと思うほど、近い存在に感じるようになりました」と語る。
家族から逃げるように上京しAV女優になった彩乃に扮した佐々木は「私は変わらなかったですね。火星人じゃないし普通に生きてる人」と述べ、自身の役柄について「職業としてAV女優を選んだ人だと思ったので、普通の女の子として演じさせていただきました」と明かす。奔放な母親に振り回される女子高生・あやこを演じた山田は「お二人と違って自分の母親がAV女優だったという役ですけど、あやこは最終的にはお母さんから愛をもらっていたことに気付くんです。母からの愛はどんな形であっても変わらないなと思います」と話した。
原作者の紗倉は「AV女優は想像もできない仕事だと思いますが、偏見があったり咀嚼するには難しい役を皆さんが美しく演じてくださっていて本当にうれしかったです。誰もが感情移入できる部分があって心を打たれました。素敵な演技をありがとうございました」とキャストに感謝を述べた。瀬々はキャストについて「森口さんは初めて人前で裸になる方だったのでドキュメンタリーのように撮らせてもらいました。佐々木さんは今までも映画で脱いでいるので、セックスシーンがこなれてるような感じでベテランの風格がありました。山田さんは新潟県という地方から出たばかりのぼんやりとした女子高生で、一から勉強していく健気な姿が役にも出ていた。三者三様で素晴らしかったです」と明かした。
瀬々は「この映画を作るにあたって、ピンク映画の監督からAV監督になった先輩を取材したら『AV女優になるのには2つの目的がある。お金と承認欲求なんだ』とおっしゃってたんです。まさに紗倉さんの原作は、生きにくい日本の中で自分の居場所を探している女性たちを描いていると思うんですね。そういう気持ちは広く日本の人たちに共有できる」と見解を語る。さらに、「紗倉さんの原作はAV業界を舞台にしていますが、それ以上に広がりのある内容だと思う。狭いところから広いところに広がっていくような作品になるんじゃないかという気持ちで作りました」と思いを述べ、イベントの幕を引いた。
「最低。」は11月25日より東京・角川シネマ新宿ほか全国で公開。なお第30回東京国際映画祭は、11月3日まで東京・六本木ヒルズほかで開催される。
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ONODERA Akira @TWDera
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