第22回釜山国際映画祭アジア映画の窓部門にて、「
本作は、山上たつひこが原作、いがらしみきおが作画を担当した同名マンガをもとにするヒューマンミステリー。過疎問題解決のために元受刑者を受け入れた港町で起こる物語が描かれる。市役所職員の月末一を錦戸亮が演じ、その同級生・文に木村文乃が扮したほか、過去に殺人を犯した6人の移住者役で松田龍平、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯が出演している。
上映後のQ&Aコーナーに参加した吉田は、「『羊の木』は日本でもまだ一般のお客様にはご覧いただいていないので、一番最初にここ韓国の皆さんにご覧いただけることを光栄に思います」と挨拶。そして今回初タッグとなった錦戸に関して「いい意味で普通の雰囲気を持っていると思いました。映画の中では個性あふれる人物たちに囲まれて、ほぼ普通の人としてひたすらいろんな状況に対応し続ける。彼の表情の1つひとつに観客が気持ちを乗せていくような映画になっています」とコメント。錦戸の現場での様子を「飄々とリラックスしながら演技をしていて、普通の人を演じる天才的な能力がある人であり、フラットなままに状況に対応する月末という人物をすごく上手に演じてくれました。音楽をやっていることもあり、感覚的にその場に一番フィットする演技を理解してくれ、スムーズな現場でした」と振り返る。
観客から「6名が町にやってきたときに、出迎える月末が毎回同じセリフを言うのが面白かった」という声が上がると、吉田は「月末は市役所職員として決まった手続きにのっとって、みんなを同じように迎え入れたいと思ったんですが、今までのルーティンの仕事と何かが違うなと感じる。それを月末自身と観客に知らしめたいという狙いがありました」と意図を明かす。
また6名の移住者が犯した罪に関する話題では「原作ではもっと新住民の数も多いし、殺人だけじゃなく窃盗や性犯罪、詐欺などもあります。今回殺人だけに絞ったのは、人を殺したことがある人とない人の境目がどう見えてくるかに興味があったから」と原作にアレンジを加えた理由を述べる。続けて「人を殺すことについても、弾みで殺したのか、計画的に殺したのか、あるいは残酷な殺し方なのか、運悪く相手が死んでしまったのか……。その経緯によって、目の前に人を殺したことがある人がいたとしても、相手にどういう感情を持てるのか、どう付き合っていけるのか、いけないのかを細かくやりたかった。だから殺人犯として1人ひとり変化をつけました」と解説した。
そして吉田は、同映画祭に参加した感想として「お客さんがとても集中して観ているのを感じながら、一緒に上映を観ることができました。最初にお披露目する機会として、いい経験をさせてもらいました」と手応えを語った。
「羊の木」は2018年2月3日より全国ロードショー。
関連記事
吉田大八の映画作品
関連商品
リンク
- 映画「羊の木」公式サイト
- 映画「羊の木」特報
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
あいず @JeweL_Aizu
https://t.co/i0ufGTJKiw