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前川知大による同名戯曲をもとにした「散歩する侵略者」は、宇宙からやってきた“侵略者”たちによって日常が非日常へと変化していくさまを描いたSF。長澤まさみ演じる鳴海の夫・真治に扮した松田は、公開から約1カ月が経った本作の反響について「僕の反響なんて友達くらいなんですが『本当に面白い映画みたいだね』と。『観てねーのかよ』って」とはにかみながら話す。
本作が第70回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品されたことから、5月にフランスを訪れた2人。俳優デビュー作である「御法度」以来、17年ぶりに同映画祭に参加した松田は「案外お酒をたくさん飲んでしまって(笑)。楽しんじゃおうと思って、ビーチでうだうだしてました」と回想する。また黒沢は「(映画が)日本社会の何を象徴しているかなど、かなり細かい部分まで聞かれましたね。現場でなかなか話す余裕がなかったので、カンヌでは松田さんとダラダラしたり」と楽しそうに振り返った。
続いて黒沢は松田にオファーした経緯を「いろいろな作品を拝見させていただいて、ピュアというか、世俗的なものに毒されていない人なんじゃないかと。しがらみを背負っているような人だと今回は違うかなと思っていて、そういう意味で松田さんしかいないと思いました」と説明。さらに松田と最初に会ったときのことについて「聞かれたらどうしようと思っていた質問があって、『この宇宙人は何星人なんですか?』という。でも『金星人風にお願いします』とか言っても答えにならないなと思ったんです」と述べると、松田は「でも僕聞かなかったですよね? 準備されるんですね」と黒沢を見やる。黒沢は「だって聞かれたらどうしようって……」とつぶやき、観客の笑いを誘った。
またイベントでは、侵略者たちが人から概念を奪うときの仕草にも話が及んだ。黒沢は「わかりやすいアクションをやるべきか悩んでいたんですが、試しに松田さんに『こんな格好をやってみてもらえます?』とお願いしたんです。お手軽なんですが、何か決定的なことが起きたように見えたので」と、ある動きを採用した過程を明かした。
そして終盤、次に自分の監督作で松田に演じてほしい役を問われた黒沢が「今回は人類とかけ離れたところからスタートしたので、次は国会議員の役とか。イメージなんですが、猫よりは犬かなと思い。まずは命令に忠実に動こうとするんですが、物語が進むに連れてそうではない動きが出てきて」と想像すると、松田は「でも猫派……」とぽつりと話す。すると黒沢は「犬派が、実は猫派であることに気付いていく役は?」と提案。松田は「ワクワクしますねそれ。さすがだなー」とうれしそうに語った。
「散歩する侵略者」は全国にて公開中。なお同作のスピンオフドラマ全5話を、約140分の劇場版として再編集した「予兆 散歩する侵略者 劇場版」は11月11日より新宿ピカデリー、大阪・なんばパークスシネマ、愛知・ミッドランドスクエア シネマ、北海道・札幌シネマフロンティアでロードショーとなる。
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- 「散歩する侵略者」公式サイト
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