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クリストファー・ノーランが監督を務めた本作では、第2次世界大戦時、フランス・ダンケルクでドイツ軍に包囲された連合軍の兵士を救う撤退作戦が陸、海、空の3つの視点で描かれる。6月に現役を引退した加藤は、その長考癖から終盤には持ち時間がなくなり、秒読みで対局を行うことが多かった。しかしそこからの粘り強さ故、“1分将棋の神様”という異名を持っている。「ダンケルク」が“タイムサスペンス”と銘打たれていることから、このたび加藤の登壇が実現した。
先ほど映画を観たばかりだという加藤は、「始まりから終わりまで息をつく暇もなく、大変感動しました。最後は泣けてきた。ダンケルクのことは、若い頃に読んだウィンストン・チャーチルの『第二次大戦回顧録』で知っていまして。私が生まれたのもダンケルクの戦いと同じ1940年で、不思議な縁を感じています」と感想を語る。世界史が大好きな加藤は、25歳の頃の対局前夜に「第二次大戦回顧録」を読んで気持ちを高めていたという。
映画ではダンケルクの浜辺から、船でドーバー海峡を渡りイギリスへ帰還しようとする兵士たちの姿が描かれる。加藤は「せっかく船に乗ってやれやれと思ったのに飛行機が襲ってきて、海に飛び込むんですね。戦争の厳しさや悲惨さを物語っていて、大変よかったです。それに、ああいう極限状況でも助け合うという人間性を兵士たちが失っていないことに感動しました」とコメント。さらに「ダンケルクは撤退作戦ですので勝った戦いではないわけです。けれど多くの兵士が生き延びたことで、後のノルマンディ上陸作戦が成功するわけですね」と続けた。
そして、加藤は劇中の兵士たちを将棋棋士に例える。「あの不屈の闘志、ジョンブル魂と言いますか。要するに、いついかなるときでも最後の最後までがんばるという意味では共通していますね。自分は絶対に助かるんだ!生きるんだ!という信念ですね」と熱弁。自身が42歳で名人になったときのことを回想し、「優れた作戦を立てて冷静沈着に戦うという点は、私の“勇気を持って戦う。相手の門前で弱気を出さない。慌てないで落ち着いて”という信念と似ていますね。でも、実際にダンケルクで戦った兵士たちは命を懸けていたわけですから。棋士よりも勝負のことをわかっているはずです」と述べた。
最後に加藤は「この作戦は第2次世界大戦上、重要な軍事的出来事。ある程度常識として知っておいてもいいと思いますし、映画は感動すべき大作、名画になっています。一度この作品をご覧になることをオススメします」と太鼓判を押し、会場をあとにした。イベントでは加藤のほかタレントの高樹千佳子も駆け付け、本作の魅力を語った。「ダンケルク」は全国で公開中。
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- 「ダンケルク」公式サイト
- 「ダンケルク」予告編
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