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黒沢が、前川知大率いる劇団イキウメの同名舞台を映画化した本作。数日間の行方不明の後、別人のようになって帰ってきた夫・加瀬真治と、彼の変化に戸惑う妻・鳴海を軸に、宇宙人たちの地球侵略が描かれる。
上映後の観客を前に黒沢は「一言では簡単に言えない複雑な感情が皆様の中に残っていると思います。簡単に全部は理解できない、いろいろなことが心に湧きあがることも映画の強い力の1つだと思いますので、この映画のことがずっと記憶に残っていただければうれしいです」と挨拶する。
主人公の鳴海を演じた長澤は自身の演技について「一番大切なパートナーである真治との関係が生活の基盤にある役なので、夫婦のように見えるようなお芝居ができたらいいなと思いました」と述懐。常に怒っている鳴海のキャラクターを「愛情や優しさ、悔しさが“怒り”っていう感情の中にすべて注ぎ込まれている」と説明し、「人間らしい人を演じられて勉強になりました」と感想を述べた。
宇宙人に侵略された真治役に扮した松田は「撮影前に黒沢さんにお会いしたら『宇宙人みたいですね。そのままいてくれればいいです』って言われてホッとしました」と振り返り、「黒沢さんをはじめ、長澤さんや皆さんに手を取って引っ張っていただいた感じ。空っぽな役ではあるけど、好奇心みたいなものは持ちながらやっていた」と語る。
ジャーナリスト・桜井を演じた長谷川は「黒沢さんの大ファンなので、幸せな時間でしたね。あまりにファンすぎて、撮影現場で黒沢さんの過去の作品のことばかり聞きまくって相当鬱陶しかったんじゃないでしょうか」と笑顔で明かす。黒沢は「現場ではほかにもいっぱい考えなきゃいけないことがあるんですけど、長谷川さんの隣になると、ただ雑談をしているっていう」とほほえんだ。
若き侵略者たちに扮した高杉と恒松。高杉は役作りについて「わりと概念を持っている侵略者なので、どうしたらもっと侵略者っぽくなるのかなと考えていました」と話す。アクションを2カ月ほど練習したという恒松は「蹴るのは気持ちいいですよ。普通の女の子より力がある設定だったので、みんなバンバンやられてくれて楽しかったです」とうれしそうに回想した。
イベントの最後には、すでに世界25カ国での公開が決定している本作が第22回釜山国際映画祭に正式出品されることも発表に。舞台挨拶は大きな拍手に包まれて終了した。
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