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本作はフィリピンを舞台に、母親を金で買うことを思い付いた少女ブランカと盲目のギター弾きの旅を追うロードムービー。第72回ヴェネツィア国際映画祭にてマジックランタン賞とソッリーゾ・ディベルソ賞に輝いた。
加瀬は映画の感想を「今回は初の長編監督ということですけど、彼がフィリピンで撮った短編作品を2本観ているから、初めてという気がしませんでした。ただ今作は、はっきりとしたストーリーがあったので、彼が『何を信じたいのか』がよく見えました。いい作品だと思います。どのようにこの物語を紡いでいったのだろうと非常に興味を持ちました」と述懐。長谷井は「ヴェネツィア・ビエンナーレ主催のシネマカレッジに応募したことや、映画作りの仲間たちに出会ったことが大きかった。目をかけてくれていたプロデューサーが亡くなったりして、プロジェクト自体が止まっちゃったんだけど、シネマカレッジが僕を気に留めてくれて、そこで映画作りのノウハウを学んだ」と製作に至るエピソードを振り返った。
さらに長谷井は撮影時を回想し「クライマックスの、ブランカが泣いて笑うという演技は、やっぱり11歳の女の子には難しいことだった。そのシーンは撮影最終日に撮ったんだけど、カメラを回しっぱなしにしたままスタッフさんが『撮影を振り返って』とブランカ役のサイデル(・ガブテロ)に言ったら、涙を流したけど同時に笑うということができない。そんな中、みんなが歌って踊り始めた。ジョークを交えたりしてね。とてもいい雰囲気だった。そこでサイデルが笑った。こんなに幸せなことはないと思って、なかなかカットがかけられなかった」と笑う。
このエピソードを受け、加瀬は「映画って1人ではできないし、演技経験があってもなくても一緒だと思う。泣くってシーンがあっても、周囲や自分がそういう雰囲気ではなかったら、やっぱりすっとは泣けないんだよね。経験があるからとか、技術があるからとは違う。人間が普段、涙を流すときって、“泣くもんか”や“泣きたくない”っていう気持ちがあるはずだし。だから、無理矢理に流した涙や笑いは、やっぱり画面の中でも見えかたが変わってくると思う」と俳優の立場から演技について語った。
20年来の友人であり同い歳でもある2人のトークは大いに盛り上がり、予定時間の30分を超える事態に。最後に加瀬は「話し込んでしまってすみません。今日はありがとうございました。これからも長谷井宏紀をよろしくお願いします」と来場者に呼びかけ、長谷井は「ご来場ありがとうございました。加瀬くん、来てくれてありがとう」と感謝を述べた。
「ブランカとギター弾き」は全国で順次公開。
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