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本作は、第21回釜山国際映画祭のニューカレンツ部門に出品されたヒューマンドラマ。一人娘・みちよを婿の孝司に殺害された母・晴美が、孝司の死刑を止めようとするさまを追う。みちよのある秘密を知る晴美を西山諒、死刑は当然だと考えている晴美の夫を西山由希宏、孝司を荒川が演じた。
西山由希宏は本作のテーマについて「『死刑制度について』をメインテーマに監督、スタッフ、各役者が思いを込め作り上げた作品だったかと思います。そのテーマをボヤかすわけではありませんが、出来上がりを拝見し、また観覧された方々の反応に触れていくにつれ、身内の殺害という一つの出来事により浮き彫りにされた被害者遺族個々の価値観の差異、またそれによって翻弄されるその人物たちの様こそがこの作品の深層に隠されたもう一つのテーマなのかもしれないと思い始めています」とコメント。荒川は「私の役がストーリーの要になると思っていたので、撮影に臨むのに緊張感がとてもありました。私が生きないと作品を台無しにしてしまうのでは?と思っていました。ちゃんとそこにいよう。そう思って臨みました」と振り返っている。なお場面写真には、夫に胸ぐらをつかまれる晴美の姿などが映し出されている。
「HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話」は、9月9日より東京・新宿K's cinemaほか全国にて順次公開。
西山由希宏 コメント
テーマについて
「死刑制度について」をメインテーマに監督、スタッフ、各役者が思いを込め作り上げた作品だったかと思います。そのテーマをボヤかすわけではありませんが、出来上がりを拝見し、また観覧された方々の反応に触れていくにつれ、身内の殺害という一つの出来事により浮き彫りにされた被害者遺族個々の価値観の差異、またそれによって翻弄されるその人物たちの様こそがこの作品の深層に隠されたもう一つのテーマなのかもしれないと思い始めています。
これといった派手さもない“市井の人”としての生活でも、時に容易く起こりうる身内の殺害。そんなあまりに理不尽な身内の死別に「あなたならどう受け止め、どう対処しますか?」と、登場人物たちの行動を通して観る側への“問いかけ”そのものがこの作品の別テーマに思えてなりません。
海外の映画祭で受けた印象
テーマがテーマだけにエンターテイメント性から程遠く離れた作品ですが、それでもこうして海外からも好評を得ることができたということに映画という表現媒体の懐の深さを改めて感じます。また「死刑とは?」という問いは国柄や国民性を越えた、普遍的で万国共通の観念だったと参加した映画祭を通じて一番強く残った印象です。
撮影中の苦労について
撮影期間中は無我夢中になっていたというか、変なアドレナリンが出っぱなしだったんだと思います。「苦労」と感じたことはありませんでした。
それでも強いて挙げるなら12月初頭、秋から冬へ寒さがより身に染みる時期に池に沈められたことくらいですかね(笑)。思いのほか溺れかけました。
役作りという点でも苦労という感じではなかったです。監督は役者に一任してくれる方だったので苦労よりもやりがいを強く感じてました。その分、自身の演技に対するプレッシャーには常につきまとわれましたが。これは主演の(西山)諒さんも同じ思いだったそうです。
役に対し最も意識したことは、自身の生理や感情に溺れることなく可能な限り別人を演じきることでした。それには普段自分では到底取らないであろう行動を積極的に選択していたので、殆どのシーンは違和感を抱えた状態での演技だった気がします。
荒川泰次郎 コメント
私の役がストーリーの要になると思っていたので、撮影に臨むのに緊張感がとてもありました。
私が生きないと作品を台無しにしてしまうのでは?と思っていました。
ちゃんとそこにいよう。そう思って臨みました。
そしたら、大事なシーンの撮影の前に、主演の西山諒さんから激励のお言葉を頂き、凄く勇気付けて頂いた事を覚えています。
また、周りの方々のお陰で、作品を作る事ができ、ようやく公開にまで至ることが出来ました。
皆様、本当にありがとうございます。
西山由希宏の映画作品
リンク
- 「HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話」公式サイト
- 「HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話」予告編
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