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重松清の小説をもとにした本作は、バツイチ子持ちで再婚した44歳のサラリーマン・田中信が、元妻、現在の妻、妻の連れ子、元妻と暮らす実娘、そして新しく産まれる命を巡って成長していく姿を描いた人間ドラマ。浅野が信、田中が信の現在の妻・奈苗を演じた。
浅野は「女性の監督と仕事をしたのは初めてなんです。本当に面白い話で、台本をいただいたとき、すぐにやりたいと思った」と振り返り、田中は「試写で観た方にさまざまな感想をいただいて、家族というテーマだと皆さん1人ひとり思うことがあるんだなと思いました」とコメント。宮藤は自身が演じた沢田について「なかなかひどい男なので、映画を観ると僕の好感度が下がると思います。嫌いにならないでください」とつぶやき、笑いを誘う。
司会から演出のこだわりを尋ねられた三島は「一瞬でもお芝居に見えるようなところがないようにしようと思った。セリフや動きが突然変わってもいい、そのとき感じた気持ちを大事にワンテイクで撮ろうというのを目指した映画でした」と明かす。さらに「浅野さんはお芝居というような瞬間が一瞬もない。子供のようにこんなにむき出しで向かって来られる役者さんは初めてでした」と続けた。「監督にさまざまな意見を出したり、どんどんわがままを言って困らせてしまって……」と浅野が申し訳なさそうに述べると、三島は「でもそれがよかったんです。1人ひとりの気持ちを確認しながら、ぶつかり合いの化学反応をとにかく記録していった」と答えた。
田中は奈苗について「監督は“ぶら下がり系”とおっしゃってましたけど、“家庭がすべての世界である”というような女性で難しかったです。今まで演じたことのないような女性で、これまで見たことのない自分がいたので面白かったです」と述懐。そして「撮影当時は自分は結婚して2カ月の頃だったので、パックしたまま夫を迎えるシーンを『そんなのありえないな』と思っていました。でも今は夫の前でパックしてその間に髪を乾かして台本を読んでいるので、『ああこれが生活なんだな』と思います」と語った。沢田を“生きているクズ”と言う宮藤は「奥さんや娘の悪口ばかり台本に書いてあるので、言ってて気持ちよかったですよ」と笑顔を見せる。
イベントでは、新井の夏休みの宿題を登壇者たちが手伝うコーナーも。国語の問題は三島が答え、算数の問題は、新井に指名された浅野が悩みながらも計算式を使って見事に正解を出し、会場からの拍手に恥ずかしそうに照れていた。
最後に三島は「もがきながら格闘して格闘してできた作品。役者やスタッフもそうだと思いますし、映画の登場人物も格闘しながら生きている人々かなと思っています。そんな人たちを見ているうちに、皆様の心の中に何かが見えてくる映画だと思います」と話し、イベントの幕を引いた。
「幼な子われらに生まれ」は8月26日より全国ロードショー。
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