WOWOWシネマほかで放送中の映画情報番組「斎藤工×板谷由夏 映画工房」。その放送300回を記念した企画の発表会が本日7月24日、東京・WOWOW 辰巳放送センターにて行われ、番組出演者の
イベントでは、カンボジアを中心に移動映画館を実施しているWorld Theater Projectが手がけるクレイアニメーション「映画の妖精 フィルとムー(仮題)」の製作に同番組が協力することが発表された。会場には、番組出演者のほかにWorld Theater Projectの代表・教来石小織、同作を監督する秦俊子も出席。
教来石は「日本のアニメ作品をほかの国で上映しようとしたとき、権利の関係で難しいところがあると悩んでいたんです。そんなとき斎藤工さんから『上映権が自由なアニメーションを作りませんか』とお声がけいただいた」と本企画の経緯を語る。自身も国内で移動映画館の活動を行っている斎藤は「ほかの方々がどのような活動をしているのか調べていく中で教来石さんのことを知りました。教来石さんの書かれた書籍『ゆめのはいたつにん』を読んで、国内で移動映画館をやるのと、途上国の映画を知らない子供たちのためにやるのは全然違うんだということを知りました」と振り返る。
また「映画の妖精 フィルとムー」の途上国での上映を目指していると言う斎藤は「教来石さんから伺ったんですが、カンボジアの子供たちは将来の夢として、お医者さんか学校の先生を挙げる子が多いらしいんです。その子たちはテレビやラジオ、映画などに触れておらず、職業を知らない。そんな中、移動映画館で映画を観せると子供たちの夢の選択肢、未来が広がるとおっしゃっていて。映画で描かれている物語に出てくる職業だけでなく、ヘアメイクだったり映画を形作る職業への感心も生じるそうなんです」と意義を熱弁。また斎藤は、自身がマダガスカルで子供たちと一緒に映画を作ったときの話に触れ「彼らが初めて観た映画は彼らが監督で、主演で、ヘアメイクや録音や撮影も担当していて。上映したとき、子供たちが歓喜していたことが忘れられない」と述懐した。
キャラクターの命名、ストーリー原案、脚本を担当する斎藤は、板谷とともにフィルとムーというキャラクターに声を当てることついて「2人ともどっちもやってみて、そのあと役を決めようという話になっています」とコメント。板谷は「両方とも工くんになるかもしれないね」と冗談交じりに語りつつ、「私は自分のことだけで一杯一杯なので、工くんの、映画を観たことがない人たちへの視線に感心するんです。今回、手助けできることがあればやりたいと思っています」と斎藤を称賛する。
また自身の過去作「パカリアン」でも斎藤とタッグを組んでいる秦は「リュミエール兄弟の『(ラ・シオタ駅への)列車の到着』から始まります」と物語について言及。続けて斎藤が「ジャングルに行ったり、水たまりがあったり、いろんな国に旅ができる作品を目指しています」と内容を明かした。
「映画の妖精 フィルとムー」の制作費を募るクラウドファンディングが、MotionGalleryで本日スタート。また10月に日本国内で同作のお披露目イベントが実施される予定だ。
斎藤工×板谷由夏 映画工房
WOWOWシネマ 毎週月曜 20:45~ほか
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リンク
- 「斎藤工×板谷由夏 映画工房」公式サイト
- MotionGallery
- World Theater Project 公式サイト
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh
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