本作は、第2次世界大戦時、フランス・ダンケルクでドイツ軍に包囲された連合軍の兵士30万人以上を救出する撤退作戦を描いた戦争ドラマ。トム・ハーディ、マーク・ライランス、キリアン・マーフィー、ハリー・スタイルズ(ワン・ダイレクション)が出演に名を連ねる。
ポスタービジュアルには、オーディションで主要キャストの座を射止めたフィン・ホワイトヘッド演じる兵士が登場。砂浜で腹ばいになった彼の横顔が捉えられている。このポスターは、本作のムビチケ発売日にあたる7月1日より、一部を除いた上映劇場に掲出される。
あわせて、ノーランが「皆さんは戦争映画のセレクションを期待するかもしれません。しかし、私は『ダンケルク』を生き残り(撤退)の物語としてアプローチすることを選択しました」と前置きし、本作に影響を与えた映画作品11本を紹介するコメントが到着。なおこれらの作品の35mmまたは70mmフィルム上映が、現地時間7月1日から31日にかけてイギリス・BFIサウスバンクで行われる。
「ダンケルク」は、9月9日より全国でロードショー。
クリストファー・ノーラン コメント
皆さんは戦争映画のセレクションを期待するかもしれません。しかし、私は「ダンケルク」を生き残り(撤退)の物語としてアプローチすることを選択しました。ジェームズ・ジョーンズのエッセイ「Phony War Films」を読めば、芝居がかった大仰な演出による映像で現実世界の戦闘を見せることの危険性がすぐにわかるはずです。ジョーンズいわく、「戦争が人間性を失わせる」と最初にして最高の手法で描いたのは「西部戦線異状なし」です。あの傑作をもう一度観れば、過剰な戦闘描写や恐怖の表現がより優れていたとは言えなくなるはずです。私にとって、あの作品は、登場人物たちがそれぞれの運命における意義と論理を見つけ出すという、これまでの戦争映画の常套表現に抵抗する力を示してくれるのです。
今回のセレクションは、2つの異なる、しかし重複するカテゴリーに分類できます。「恐怖の報酬」や「エイリアン」など、緊張感のある確立された古典的な作品から、より最近のハラハラドキドキする「スピード」や、トニー・スコット最後の監督作品となった「アンストッパブル」まで。この映画祭は観客の反応を物語へ導くサスペンスの技巧と手法を探求します。
そのほかのタイトルは、純粋に視覚的なストーリーテリングの可能性を探求するものです。エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督の「グリード」やF・W・ムルナウ監督の「サンライズ」などの美しいサイレント映画では文字通り“視覚的な”可能性を、そして「ライアンの娘」では、ぞっとするような吹きさらしの浜辺や砕ける波の場面が象徴する、映画に登場する映像の力がそれにあたります。
「アルジェの戦い」はキャラクターに感情移入せずにはいられない、時代を超越して影響を与えるドキュメンタリータッチの作品です。映画を観ていると登場人物たちが直面する現実や勝算に夢中になるという単純な理由から、彼らに共感してしまうのです。ヒュー・ハドソンの「炎のランナー」は、華麗な映像、複雑な物語、そしてあえて時代に逆行した音楽で英国の傑作となりました。
映画的なサスペンスや視覚的なストーリーテリングの探求はヒッチコックなくして完成しません。「海外特派員」での飛行機が海に墜落するさまを描いたヒッチコックの才能は、我々が「ダンケルク」で試みたことの多くにインスピレーションを与えてくれました。
これらすべての映画は、35mmもしくは70mmのフィルムで上映されます。素晴らしい映画を栄誉あるアナログの姿で鑑賞することができる貴重な機会を、皆さんに楽しんでもらえるよう願っています。
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リンク
- 「ダンケルク」オフィシャルサイト
- BFIサウスバンク公式サイト(英語)
- 「ダンケルク」予告編
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