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本作は、京都で暮らす高校2年生・赤田孝豊の日常と不安定な心情を描く青春劇。高杉が孝豊、葵が孝豊の幼なじみ・みことを演じている。
モーニング主催の同イベントにて、高杉は「本日は先生も一緒ということでちょっと緊張しています」と、葵は「今日はモーニングの読者の方がお越しになっていると聞いたので、みんな私や高杉さんに負けないくらいマンガ好きなのかな」と笑顔を見せる。約30年前に原作を発表したタナカは「人は6年で細胞がすべて入れ替わるって言いますから、5回入れ替わってます。もう別人ですね。一般のおっさんとして映画を楽しもうと思います!」ときっぱり宣言した。
「30年前に初めてマンガを読ませていただいてから、ずっと映画化したかった」と熱を込める小林。映画化に踏み切った理由を「当時の自分は、この作品のよさを他人に説明できなかった。『とりあえずいいんだ!』という感想しかなくて。それを皆さんに共感してもらいたい、自分でも解明したいっていう気持ちで映画化しました」と説明する。「僕もこのマンガを人にオススメするとき、『いい』という言葉以外にどう言ったらいいかわからなかった」と賛同する高杉は、実写化にあたり「どんなふうにこの世界観を表現したらいいのか悩みました」と苦労を告白した。
また葵は、本作の脚本が原作に忠実であることに触れ「原作は、セリフのないところでキャラクターたちがどう考えているのか想像できる余白がある。実際台本を見たときも、監督が原作に思い入れがある分、ほぼ同じでした」と振り返る。それを受けてタナカは、「脚本がどう変わるのか楽しみにしていたんですけど、見たらけっこうそのままで(笑)。『セリフも原作を尊重しました』と言われて、恥ずかしいな! 変えてくれよ!って思いましたね」と素直に述べて笑いを起こした。
ここで司会から「孝豊のような、自身の淡い青春の思い出は?」という質問が。葵は高杉と顔を見合わせて「わりと光輝いていない青春時代を送っていたタイプでしたもんね……」と考え込んでしまう。「光を見てた側だよね。眩しいなーと思いながら(笑)」という高杉の言葉に、葵は「それが“逆光”ですね!」と相づちを打った。続いて高杉は「今思うと、普通の何気ない日々が青春だったんだなって。『逆光の頃』を観ると、自分の思い出が美化されるんです」と話し、葵にも「もう1回観ると、自分のあの日々もよかったなって感じると思うよ」と語りかけた。
終盤には小林が、「このマンガを実写化したいということを、プロデューサーからタナカ先生にメールで送ったんです。失礼ながら勝手に書いた脚本も送って、『あ、OKです』ってすごく軽い返事をいただきました。最近発覚したんですが、先生はその脚本読んでなかったんですよね(笑)」と暴露。するとタナカは「30年前だから、(当時の自分とは)別人だもん! それ描いたやつ、いないんだもん! それにどうのこうの言うのはおかしいと思って」と必死で説明。作品の内容にはほぼノータッチだったが、題字だけは書くよう頼まれたというタナカが「何パターンも書いたんですよ。でも、使われてないんですよ!」と訴えかけると、高杉と葵も爆笑していた。
最後の挨拶では、高杉が「僕が孝豊として京都で過ごした時間が詰まっています。京都に行ったとき、どこかに孝豊がいるんじゃないかって探してもらえるような作品だと思うので、ぜひよろしくお願いします」と観客へアピールした。
「逆光の頃」は7月8日より東京・新宿シネマカリテほか全国にて順次ロードショー。
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