フランス映画祭2017の関連イベント「Women in Motion」が6月23日に東京のアンスティチュ・フランセ東京で行われ、
ユペールは、同映画祭でも上映された主演作「
赤いドレスにクロコダイルの黒いジャンパーを羽織って登場したユペールは是枝を「素晴らしい監督でいつもとても素敵だなと思っています。フランスの人たちはみんな是枝さんの映画が好きです」と称賛し、「私が大切にしている女性の価値観を表し、親密な世界を描いている。私の隣にいてくださってありがとうございます」と感謝の気持ちを述べた。是枝は「僕がキャンペーンでフランスに行ったときに、取材場所に会いに来てくれてホテルのロビーでお話させていただいた。その後、フッと1人で街中に消えていく後ろ姿がカッコよくて……」と述懐する。
是枝に「役作りは外側から作っていくタイプか内側から感情を作っていくタイプか」と尋ねられたユペールは「外からですね。役を演じる前から内側を作ることは難しい。映画自体がその人の人物像を教えてくれるんです」と話し、「画家の(ピエール・)スーラージュが『探すことによって私が探しているものを見つけることができる』と言っているんです。服や髪型など細かいことを具体的に決めていくことが、観る人にとってもヒントになる」と見解を述べた。
イベントでは観客との質疑応答も実施。「是枝監督はユペールさんにどのような女性を演じてほしいか」と問われた是枝は「颯爽と歩く姿をカッコよく撮りたい」と返答。ユペールは「是枝さんと日本を縦断したいです」「一緒にお仕事をする幸運に恵まれたら、まずは私を驚かせてほしいと思います。何かサプライズを用意してくれることはとてもうれしい。是枝監督が私という人物からどんな夢を抱いたのかということをまったく知らないで仕事をしたい」と思いを伝える。
最後に「『主婦マリーがしたこと』のセリフが原因でキリスト教の保守派からボイコットを受けたと聞きました。映画や演技が社会に与える影響力についてはどういうふうに考えていますか」という質問が。ユペールは「宗教を批判しているということで物議を醸しました。映画は社会の中で混乱を招くとか反感を買うこともある。常識を覆すことも映画の一部であり、映画はそういうものだと私は思います」と真摯に語り、「映画は集団に感動を与えることができる。映画は私にとって文学がもたらすものと同じ」と思いを吐露し、イベントは終了した。
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ONODERA Akira @TWDera
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