今年度カンヌ映画祭グランプリ受賞、エイズ差別と闘う若者描く「BPM」日本公開

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第70回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した「BPM(Beats Per Minute)(英題)」の日本公開が決定した。

「BPM(Beats Per Minute)」

「BPM(Beats Per Minute)」

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「イースタン・ボーイズ」のロバン・カンピヨが自身の経験をもとに映画化した本作は、1990年代初頭のパリを舞台としたもの。エイズ患者への差別に抗議した実在の団体「ACT UP」の活動を通して、若者たちの恋と人生を描く。「グランド・セントラル」のナウエル・ペレ・ビスカヤーらが出演した。

カンヌ国際映画祭授賞式後の記者会見にて、カンピヨは「とてもパールナルな内容である本作を作るにあたり、感情的にならないように必死だった」と制作当時を回想。治療薬を提供しない製薬会社を巡り、ミッテラン政権と闘った自身の経験を「この時代を生きるヒーローを描きたかったんだ。10年間もこの感染症に耐えなければならず、世間に被害者として見られ、急に“病んでいるホモセクシャル”としてみなされながらも、何人もの命を救う行動を起こしたことは、英雄的だったと思う」と語った。

同会見にて、LGBT人権活動家でもある審査委員長のペドロ・アルモドバルは、「本作がパルム・ドールを受賞できず悔しかったか?」と聞かれて「映画は素晴らしかった。最初から最後まで心を打たれたよ。でも審査は民主的な方法で行われた。今言えるのはこれだけだ」と回答。涙を流して「ロバン・カンピヨの作品は、我々(審査員)の大多数が気に入っていた。きっとどの国でも成功を収めるだろう。ストーリーは何年も前に起こったことであり、これはLGBTの人々によって伝えられるべきである。不公平な世の中について語っていて、何人もの命を救った本物のヒーローたちをカンピヨは描いてくれた。それには私たちも共感している」と話した。

「BPM(Beats Per Minute)」は2017年内に公開。

※記事初出時、内容に一部誤りがありました。お詫びして訂正します。

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