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まずは沙村が京都の撮影現場を訪れた際の話題からスタート。沙村は主人公・万次役の木村拓哉の姿勢に感激したようで、「とても寒い時期なのに木村さんは着流しにわらじだけ。その姿を見ただけで感謝の念が湧いて、非常にいい体験をさせていただきました」と話した。また木村にサインを求められたことを振り返り、「寒さで手がかじかんでいたのとビビってしまったのとで、自分でもびっくりするぐらい字が汚くて(笑)。平謝りだったんですけど、木村さんは『これでがんばれます』と言ってくださって。今思い返しても書き直したいですね」と苦笑いを浮かべる。
沙村が見学したのは、万次と市川海老蔵扮する閑馬永空が戦うシーン。当初、沙村の中では海老蔵が閑馬を演じることに違和感があったというが、「海老蔵さんって眼力が強いじゃないですか。閑馬って俺の中でゾンビみたいなイメージなので、こんなに眼力が強い人で大丈夫かなと思ったんですけど、万次と閑馬のシーンを現場で見たら、本当に死者の息遣いみたいになっていて」と熱く語る。そして万次役の木村については、「よく“木村拓哉は何をやっても木村拓哉”って言う人いるけど、スターってそういうもんなんですよね」と言い切り、「カッコいいところと無様で汚いところの両方ができる素晴らしい役者さん」と大満足の様子だった。
役者と監督という立場で木村と仕事をしたのは、今回が初だという三池も、「誰より真面目に役者として万次に取り組む。滑稽なくらい真剣だった」と、真剣に役と向き合う木村への賛辞を惜しまない。さらに木村の存在はほかの役者たちにも影響を与えていたようで、三池は天津影久役・福士蒼汰の名前を挙げる。「最初、彼はおっかなびっくりでやっていたけど、木村拓哉と芝居をしていく中で、自分が持っているもの以上は出ないんだと気付いた。でも今の自分でも何かできるはずだ!というエネルギーが木村拓哉によって引き出されて、映画の後半では初めての立ち回りとは思えない動きになった」と福士の成長にうなった。
最後に三池から沙村へリクエストが。三池は「いちファンとして、今現在の万次が何しているのか見てみたいです。1コマでもいいので。この作品を撮ってから、すれ違う人に『あれ、こいつ万次じゃないの』って、どこかで万次を探している感覚があります」と願望を口にする。それを受け、沙村は「以前ハリウッドから映画化の話が来たんですけど、現代に万次が生きていて、ニューヨークの悪徳商社マンになってるというシナリオだったんですよ。やんわりお断りしましたけど(笑)」と思わぬエピソードを披露。そして三池のリクエストに対し、「そう言われると短編とか続編を描いてみたくなりますね」と答え、会場の期待をあおった。
アニメイト新宿では、1993年に沙村がアフタヌーン編集部に持ち込んだ「無限の住人」の序章40ページの原画や、映画の撮影で使われた衣装、武具を5月16日まで展示中。
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