第17回東京フィルメックスで上映された本作は、東京近郊の森で暮らすホームレスの男・昇と、美人局の片棒を担がされている女・樹冬を主人公にしたラブストーリー。ともにオーディションによって選ばれた
YouTubeで公開された予告編には、樹冬を助けようと奔走する昇の姿、昇と樹冬のキスシーンなどを収録。全編にわたって不穏な持続音が流れ、「パスポート持ってるの?」「だから逃げよう」といった逃亡を意識させるセリフが確認できる。
内田は本作について「『14歳の少女と20歳の男が美人局(つつもたせ)で逮捕──。』この作品の発想は、ネットニュースで見たこんな記事からだった」「『ぼくらの亡命』は恋愛映画の皮を被った戦争映画にしようと思い、撮影が始まった」と述べている。
内田伸輝 コメント
「14歳の少女と20歳の男が美人局(つつもたせ)で逮捕──。」この作品の発想は、ネットニュースで見たこんな記事からだった。やりくちは変われど、昔からある古典的な手口。カモとなった男と騙した女が手を組んだらどうなるのだろう? そこから恋愛が生まれるのだろうか? そんな所を探りつつ、物語を作り始めた。と同時に撮影に入る2015年は、太平洋戦争終戦から70年目にあたり、聞こえないくらいの足音で確実に近づいてくる気がする新たな戦争の空気を、描いてみたいと思った。戦争とは何かを考えた時、それに至る理由の一つに、領土、領海、領空の奪い合いが戦いの引き金になっていて、まるでそれは、「この島は我が国のものだ!」と主張する国が、「この女は俺のものだ!」と一人の女性をめぐり奪い合う男達の姿にも僕は思えた。恋愛、戦争、奪い合い……。「ぼくらの亡命」は恋愛映画の皮を被った戦争映画にしようと思い、撮影が始まった。
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