第10回田辺・弁慶映画祭にてグランプリを含む4冠に輝いた「
「空(カラ)の味」は、「還るばしょ」で知られる
塚田は本作について「お墓まで持っていこうと思っていた私の日々です」とコメント。「下衆の愛」「獣道」で知られる映画監督・
なお「空(カラ)の味」は6月10日から12日に大阪のシネ・リーブル梅田でも上映され、2017年中に長野の長野松竹相生座・ロキシー1・2で公開予定。その後全国にて順次上映される。
塚田万理奈 コメント
お墓まで持っていこうと思っていた私の日々です。
当時出会った可愛い命達に、言いたいことがあった為です。
その事を汲んでくれた、すてきな仲間達が一緒に愛してくれた、とっても可愛い作品です。
入江喜和 コメント
「空(カラ)の味」を観て、聡子(主人公)と塚田さん(監督)という姉妹に会えた気がして涙が止まらなかった
摂食障害の少女の内面というわかりにくい題材に、主演の堀春菜さんをはじめ、映画を作ってる人たちみんなで果敢に挑んでいる気がする
自分の内面にとことん向き合うことが、この病を快方に向かわせる早道だと感じるが、それは表現することにとっても似ていて、塚田さんはそこに辿り着いた聡子の未来そのものに見えて嬉しい
摂食障害に悩む方々だけでなく、何かを見つけたくてもがいている人たちにも、小さな指針となる映画です
内田英治 コメント
過剰な演技がない、過剰な演出もない、過剰な音楽もない、過剰なカットもない、シンプルなリアリティーを積み重ねた素晴らしい映画。
監督は90年代生まれだそうな。末恐ろしい……。
足立紳 コメント
マキさんみたいな面倒臭い人の顔が何人か浮かんだ。
最近多そうだなあそういう人。関わり合いたくないなあって思った。
顔が浮かんだ数人ともできればあんまり関わっていたくないと思うし、
電話がかかってきても僕は平気で無視する。
どうして平気で無視するのかこの映画を観て少し分かったような気がした。
それは僕が聡子のように懸命に生きていないからだ。
頑張らなくてもいいと言われる前にまず頑張ろうと思った。
山田大樹 コメント
主人公聡子の表情に魅せられて、空の味ワールドへ引き込まれた。
彼女を取り巻く世界は暖かいのに、聡子は冷たい世界に浸る。
家族や友人が注いでくれる愛情に満たされていながら、心に巣食った悪魔が摂食障害という病を産む。しかし、聡子はその病に翻弄されている時間を楽しんでいるようにも見える。塚田監督は、そんな聡子の心の漂いを丁寧にモンタージュする。
友人や家族の愛情。特に、聡子を愛する家族への態度は残酷だ。
しかし、そんな態度が出来るのも、本当の家族だからだということを聡子はまだ知らない。そして、同じように心の病を抱えたマキという女に出会う。
たぶん、誰よりも人にやさしい人生を送ってきたが上に病んだ女なのだろう。
マキが聡子に与えるやすらぎと、その代償で苦しむマキの描写が秀逸だ。
塚田監督の保ち続ける距離感が、この作品の緊張感をキープしている。濃厚な2時間。
塚田万理奈の映画作品
リンク
- 「空(カラ)の味」公式サイト
- 「空(カラ)の味」予告編
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おおとも ひさし @tekuriha
田辺・弁慶映画祭で4冠、塚田万理奈が摂食障害の女子高生描く「空(カラ)の味」 - 映画ナタリー https://t.co/A3L60Hz9lB