伊丹十三賞は、さまざまな分野で才能を発揮した伊丹十三の遺業を記念して創設された賞。過去に是枝裕和やリリー・フランキー、タモリ、糸井重里らが受賞している。星野は今回音楽家、文筆家、俳優など多彩な活躍をしたことが認められ受賞に至った。
贈呈式の前半では、審査員の1人である
星野は緊張した様子で「喉がカラカラでございます」と報告し、水を飲んでからスピーチを開始。小さな頃にテレビ放送を通じて伊丹の作品に出会ったという星野は「サックスプレイヤーのMALTAさんが『マルサの女』のテーマを吹きながらギャグをやっているのを観たんです。それを思い出すたびに、伊丹さんの映画を観たいなと思っていました」と振り返る。また20代半ば頃に伊丹作品のDVDボックスを購入したことを明かし、「『タンポポ』を観て、なんて面白いんだと。そこから伊丹さんブームが訪れて、エッセイを読んだり、映画を全部観たりしました」と当時に思いを馳せた。
中学1年生の頃から演劇と音楽に取り組み始め、大人になってそのすべてを仕事にすることができたという星野。しかし、少なからず苦悩はあったようで「芝居の現場に行くと『音楽の人でしょう』と言われ、音楽の現場に行くと『芝居の人でしょう』って。自分の居場所がないように感じていました」と語る。さまざまな場所で「(職業を)1つに絞らないの?」と聞かれることはあったが、伊丹や植木等がさまざまな分野で活躍していたことを知り、星野は自分自身もそうなりたいと憧れていたという。「伊丹さんを追いかけようとしたこともありましたが、僕の島と伊丹さんの島には大きな海があってたどり着けなかった。でも伊丹さんの活躍を知っていくうちに『お前は自分の場所を作れ』と言われているような感覚を持って。どこかに属するのではなくて、一人前になりたいという気持ちでどの仕事もやっていたら、こんなに素晴らしい賞をいただけました。伊丹さんに『これが君の居場所だよ』と言われているような気がして、本当にうれしかったです」としみじみ述べた。
星野は「長くてすみません」と断りを入れながら、「伊丹さんにも植木さんにもお会いできませんでしたが、自分が彼らから受け取ったものはなんらかの形でつながっていくと思います。人は死んでしまっても、みんなが人に話したり表現することで遺伝子はつながっていくもの。僕は伊丹さんからもらった遺伝子を、自分のフィルターを通した形でつないでいきたいです」と力強く語る。式の終盤では「うれしすぎて今日はあまり寝られないと思います」と笑顔を見せた。
なお星野が主演を務める劇場アニメーション「
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- 伊丹十三記念館 伊丹十三賞 概要
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