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2016年3月に封切られた本作は、黒木演じる“普通”に生きてきた主人公・七海がさまざまな出会いを通して成長していく姿を描く物語。七海が結婚式の代理出席のアルバイトで出会う不思議な女性・真白にCoccoが扮したほか、奇妙なアルバイトを紹介する“なんでも屋”の安室役で綾野剛が出演した。
公開から1年近く経つにもかかわらず、作品の余韻に浸っている観客たちを見て、岩井は「なんだか『やっと完成しました』という気分(笑)。本当に愛された作品だったんだなと思うと『受け止めきれなくて壊れそう』」と、劇中で真白が口にしたセリフを思わせる言葉で喜びを表現する。黒木も「この映画と同じで、私まで一緒に愛してもらえているみたい」と笑顔に。
会場には七海の衣装を意識し、花嫁姿やメイド姿の観客もちらほら。また公開当時の舞台挨拶で配布されたという、作品に登場する“ねこかんむり”を被っている者の姿もあり、岩井は「こんな人たちは(公開当時は)いなかったから、この1年のご愛顧の結果ですね。長持ちしたようでよかったです」とご満悦の様子。Coccoは1年ぶりに鑑賞した感想を尋ねられると、「撮影中や公開当時は『華ちゃんが七海』『自分が真白』みたいに役と混同していたけど、今日観たら『七海だ!』『真白だ!』と。それは、この1年の間に華ちゃんが七海以外を演じている姿を観たのもあるだろうし、何より作品が歩いている証拠だと思う」と、自身の感情の変化に触れる。
3人は印象的なシーンの思い出話に花を咲かせ、劇中ほとんどのシーンに登場している黒木は「本当にたくさんの方が出演されていたので、打ち上げで『私だけみんな知ってる!』って思いました(笑)。それが人生みたいに感じて。『そうか、七海ちゃんはこんなにたくさんの人と出会っていたんだな』って」としみじみ話した。またCoccoは、1年経ってから気付いたことがあると切り出す。「真白は七海の人生のほんの一瞬を一緒に過ごしただけ。七海の人生が何ページもあったら、真白との時間は1ページにも満たない」と語り、「はかなくて小さな出会いで人生が成り立っていて、それを失ったり出会ったりしながら積み重ねていくんだとわかった」と作品から受け取ったメッセージを口にした。
イベントでは真白の母親役で出演し、2016年11月に死去したりりィに関する話題も。岩井は「自分の中にある次の構想の中にも彼女がいた。それを見せられないというのは非常にもったいない」と吐露し、「いつまでも映像の中に残って、観てもらい続けたらりりィさんもうれしいと思う」と述べる。最後は「1年に1回、記念日に上映会をしよう」という司会者や登壇者たちのアイデアに、岩井が“七海の誕生日”を提案。すかさずCoccoが「いいんじゃない!? もし実現できなくても、エイプリルフールだから(笑)」と会場に笑いを巻き起こし、イベントの幕を下ろした。
なお本日のイベントは、日本映画専門チャンネルで「リップヴァンウィンクルの花嫁」がテレビ初放送されることを記念したもの。3月25日に特別番組「岩井俊二のオールナイトニッポンGOLD『リップヴァンウィンクルの花嫁』公開前夜スペシャル」が再放送、26日に映画本編が初放送されるほか、4時間全6話からなる「リップヴァンウィンクルの花嫁 serial edition」が31日よりオンエアされる。
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