サラ・ウォーターズの小説「荊の城」を原案とする本作は、莫大な財産の相続権を持つ令嬢・秀子、スラム街で詐欺グループに育てられ、侍女として秀子に近付く少女・スッキ、秀子の財産を狙う“伯爵”と呼ばれる詐欺師らが繰り広げる愛憎劇をエロティックに描いたサスペンス。出演にはキム・テリ、キム・ミニ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌンが名を連ねる。
そして「ホワイトリリー」の監督・
「お嬢さん」は3月3日より全国でロードショー。
宮藤官九郎 コメント
衝撃的なビジュアル、驚きの仕掛けが満載
ストーリーが深みに入っていったとき、なぜか笑ってしまう世界観に病みつき!
桜庭一樹 コメント
サラ・ウォーターズ×葛飾北斎×「花と蛇」!?
奇怪なハイブリッドに騙され、裏切られる。
崔洋一 コメント
この物語、観る者の情緒を撹乱させる。つまり、悠々しきほどのエロスの暴走だ。
だが、どうして切ないのだろう。
人間に潜む欲望を引きずり出すパク・チャヌクの映画に震えた。
瀬々敬久 コメント
日韓併合時代の世界観の中で繰り広げられる狂気とエロス。
そこでは、男と女が反転し、韓と日が反転し、富と貧が反転する。
現在、世界中に蔓延しようとするナショナリズムとポピュリズム、
大衆迎合主義な政治に、真っ向から立ち向かおうとしている。美とエロスの鎧を被って。
大友啓史 コメント
零れるような吐息の中に、したたかな嘘が幾重にも渦巻いている。
日本統治下の韓国で交互に繰り出される、拙い日本語と囁くようなハングルと。
官能は言葉と密に繋がっている。その相似形すら、パク・チャヌクが仕掛けた罠なのか。
白石和彌 コメント
見てはいけないものを自分だけが覗き見たような背徳感が脳髄と下半身を刺激する。
一枚一枚の画も女優も絵画のように美しく、スクリーンにむしゃぶりつきたくなる。
いや、かまわん、むしゃぶりつけ!
中田秀夫 コメント
欺き、嫉み、裏切り、背徳と、映画が描くべき「人間の毒」が全て詰まったような作品。
しかも、観る者はその「美しき毒」に魅せられる。
お嬢さんと侍女が互いのコルセットを締め上げる時、大写しで二人の唇と舌が求め合う時、そして性のレッスンの「毒に満ちた」甘美さに酔い痴れた。
吉田恵輔 コメント
これは芸術だ。艶かしいヌードシーンも芸術。
女性の口から聞いてはいけないような、卑猥なセリフの連発も芸術。
興奮しながら鑑賞している自分も芸術。“芸術”って言葉に感謝したくなる映画だ。
真利子哲也 コメント
「お嬢さん」は、どんなに期待や想像を膨らませても、その遥か斜め上へいく。
ユーモアと切実さのアンサンブルを堪能しながら、体感すら覚える絶頂の瞬間。
映画ってこんなにも自由で愛らしく、ドキドキさせられるんだと興奮した。
大久保佳代子 コメント
女が何かを企んだ時って、
強くて怖くてエロくて妖しくて綺麗。
こんな欲望渦巻く官能の世界へ入りこんでみたい。女同士っていいなぁ。
岩井志麻子 コメント
詐欺にこそ真心が必要で、愛にこそ悪意が必要なのだと教えてくれる。
そして、復讐は人を最もひたむきに生きさせる熱情だと説いてくれる映画。
種田陽平 コメント
韓+和+洋、様式の異なるディテールに満ちたラビリンスが、人間模様の混沌と共鳴しながら映画の世界を創り出している。美術のリュ・ソンヒが仕掛けたリアルを超えたこの屋敷こそ、映画のもう一つの主役だ。
山崎まどか コメント
原作、映画、どちらを先に知ってもあっと驚く野心的な脚色に脱帽!
英国ゴシックロマンスを妖しく光るバロックパールで
覆い尽くしたかのような世界観に陶然となる。
山本直樹 コメント
ヨーロッパを演じる日本を演じるコリア。層を重ねる分、退廃もエロも笑いもこじれる。
タカノ綾 コメント
美しいドレープが風で撒き上がる度に
少しずつ見えてくる妖しい情事、紳士の頽廃、愛の目配せ、
そして覆いは剥がされ、女の子は、自由に向かって駆け出す。
小島秀夫 コメント
民族、文化、国家、性、欲望、暴力。男たちが征服しようとした壁は、
女たちの官能の沼に沈んでいく。それは凸凹の対立ではなく、
凹同士の官能的な絡み合いによって溶けてゆく。
新たなチャヌク・ワールドの誕生だ。
佐々木俊尚 コメント
無垢な愛なのか、汚れた愛と欲望なのか。
両方が混じりあうところに、人間の真性があるのかも。
驚きの展開とともに、何層もの厚く硬い皮をベリベリと剥がすように
人の真実の姿が見えてくる。圧倒された。
宇多丸(RHYMESTER)
画面の隅々にまで徹底された、独特すぎる美意識とフェティシズム──こんなド変態な映画(褒めてます!)、絶対にパク・チャヌクにしか作れません!
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