沼田まほかるの小説「
「凶悪」の
2016年10月8日から約1カ月をかけて撮影され、原作の舞台である大阪を中心とした関西でロケが行われた本作。蒼井は「共感は全くできない役だったけれど、ご覧になる方に自ら嫌われる勇気をどこまで持てるのか、試したいと思いました」、阿部は「食べ方が汚いとか、たんが絡んだ咳をするとか、とにかく汚い男に見せるために、監督と色々相談しました。現場ではスタッフの方達とも楽しみながら、汚い男を追究しました」と役作りについて語っている。
白石は「原作を読んで、雷に打たれたように十和子と陣治の物語に心を奪われました。誰であれ到底たどり着くことが出来ない究極の愛を僕自身がスクリーンでどうしても見たくなり映画化を決意しました」とコメント。そして「登場人物のほとんどがクズばかりですが、見る人をとんでもないところへ連れていってくれる映画であると仕上げ作業の大詰めを迎えて確信しています」と自信を見せている。
「彼女がその名を知らない鳥たち」は2017年秋に公開。
蒼井優 コメント
十和子という人は、自分に対する諦めができない人。かといって何か行動を起こすわけでもない、甘ったれた女性。共感は全くできない役だったけれど、ご覧になる方に自ら嫌われる勇気をどこまで持てるのか、試したいと思いました。そして白石監督であること、阿部さんとも(同じ作品に出演したことはあったけど)共演は初めてなのでご一緒してみたかったです。演じる上での不安もありましたが、白石監督と初めてお会いした時に、「最低なヒロインですね」と私が言ったら、「そうなんです、最低なんです。1ミリもいいところがない。それでも魅力的な女性なんです」とおっしゃってて。その言葉で、脚本通りにできればいいと思えました。
阿部サダヲ コメント
食べ方が汚いとか、たんが絡んだ咳をするとか、とにかく汚い男に見せるために、監督と色々相談しました。現場ではスタッフの方達とも楽しみながら、汚い男を追究しました。蒼井さんとの共演はほぼ初めてなのですが、今乗ってる女優さんと言ったらこの人!って必ず名前が上がる方だし、最近は迫力も出てますよね。実際すっごい迫力ありました(笑)。一緒にお芝居していて楽しかったです。
白石和彌 コメント
原作を読んで、雷に打たれたように十和子と陣治の物語に心を奪われました。誰であれ到底たどり着くことが出来ない究極の愛を僕自身がスクリーンでどうしても見たくなり映画化を決意しました。蒼井さんは予てから仕事をしたいと思っておりましたが、この最低な役をよくぞ引き受けてくれたと今でも信じられません。作中では今までに見たことのない様々な表情を見せてくれました。とんでもなく凄まじい女優です。阿部さんもイメージとは真逆な役でしたが、阿部さんの中の汚れた部分を全て出し切ってくれました。それでいて人間的な懐の深さや誠実さが、陣治という役を想像以上に大きく厚くしてくれました。登場人物のほとんどがクズばかりですが、見る人をとんでもないところへ連れていってくれる映画であると仕上げ作業の大詰めを迎えて確信しています。楽しみにお待ち下さい。
沼田まほかる コメント
小説執筆時の苦しい心境がよみがえる気がして、脚本を読むまでに時間がかかりましたが、読み始めたら、たちまち引き込まれてしまいました。たいへんな力作で、ラストあたりで思わず落涙。原作をよくここまで読み込んでいただいたものと感謝でいっぱいです。役者さんも演技力のある方ばかりなので、これはきっと素晴らしい映画ができることと信じております。
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