第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で監督賞に輝いた「
ルーマニアの社会問題に光を当てた本作は、娘のために奔走する医師の姿を描いたヒューマンドラマ。娘を留学させるため自身のコネとツテを駆使する主人公ロメオを「フィクサー」の
ムンジウは、ある少女強姦事件の記事を新聞で読んだことが本作を着想したきっかけであると説明。「ルーマニアのブカレスト市内で起こった事件で、彼女は強姦されるまで30分ほど町の中、雑踏の中を引きずり回されていた。けれど、誰も止めようとする人はいなかったんだ」と話し、「この事実は、僕らが現在どんな社会に生きているかを物語っていると思う。我々は多くの人に囲まれて生きているにも関わらず、自分のことしか考えていない。これは社会として健全ではないと思う」と続ける。そして「集団としての解決策のある社会こそが本当の社会だと思う。その視点から僕は映画を作っている。子供たちの未来が心配なんだ。こんな社会でいかにして子供を育てるべきなのか。社会の集団的な責任を子供たちに教えていくことが大切なんだ」とメッセージを送った。
「エリザのために」は1月28日より、東京・新宿シネマカリテほか全国にて順次ロードショー。
関連記事
クリスティアン・ムンジウの映画作品
関連商品
リンク
- 「エリザのために」公式サイト
- 「エリザのために」予告編
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
映画ナタリー @eiga_natalie
クリスティアン・ムンジウ「子供たちの未来が心配」、「エリザのために」のテーマ語る https://t.co/ijMslaJ9PH https://t.co/6igPkNeGiR