アピチャッポン「頭蓋骨に穴開ける治療法」に興味津々、イベントで新作の構想語る

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アピチャッポン・ウィーラセタクンのトークイベントが本日12月19日、東京のシアター・イメージフォーラムで行われた。

アピチャッポン・ウィーラセタクン

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「アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2016 アンコール!」チラシビジュアル

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これは1月13日まで同館にて開催される特集上映「アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2016 アンコール!」の一環として実施されたもの。マイクを握ったアピチャッポンは「こんなにたくさんのお客さんに来てもらえるとは」と母国語のタイ語で挨拶する。

アピチャッポン・ウィーラセタクン

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前半は地方の緑豊かな病院、後半は都市の近代的な病院を舞台にしたアピチャッポンの監督作「世紀の光」の上映前に行われたトークショー。本作の前に制作した「トロピカル・マラディ」について「撮影の1週間ぐらい前に父が亡くなり、撮影全体が非常につらかったんです。スタッフにも怒りちらしていた」と振り返ったアピチャッポンは「その後2年経って『世紀の光』の撮影のときには心が落ち着いていました。そして父が亡くなったことがいいことのように思えてきたんです。なぜなら父はもう苦しまなくていいから。そして自分の父と母に捧げる映画としてこの作品を作ろうとしました」と述懐する。

楽しげに話すアピチャッポン・ウィーラセタクン。

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ブリスフリー・ユアーズ」や「トロピカル・マラディ」など2つのパートに分かれた作品を制作してきたアピチャッポン。その理由を聞かれると「それぞれの作品で理由は違います。映画が発展していく段階で映画自身が何を必要としているか伝えてくるんです。それに合わせて自動的にやっていることのほうが多い」とコメント。モーツァルト生誕250年を記念した「ニュー・クラウンド・ホープ」プロジェクトの一環として作られ、同じく2つのパートに分けられた「世紀の光」については「『魔笛』をモチーフに選び、曲の構造を真似しました。繰り返しの部分や章に分かれた形式など、曲のリズムが映画のリズムになるように制作しました」と意図を明かした。

観客からの質問に答えるアピチャッポン・ウィーラセタクン。

観客からの質問に答えるアピチャッポン・ウィーラセタクン。[拡大]

観客から演出において重要視している点を聞かれたアピチャッポンは「キャスティングが重要」と述べ、「まずは自分の求めているスペックを持った人を探すんですが、キャスティングをしている中で本当に興味深い人に出会った場合、自分が用意した設定をすべて捨ててその人にする。俳優のために脚本を書き換えることもあります」と自身の作品と俳優の関係について語る。映画を制作する前は建築を学んでいたと言うアピチャッポンは「いまスタジオを作っているんです。そこは自分の家にもするし、ワークショップ用のスペースも作るし、ドキュメンタリー映画を作る会社のオフィスも作りたい。自分の人生で学んできたことを集結させている」と話し、楽しげに笑う。

また新作についてアピチャッポンは「南米で撮ろうと思っていて。コロンビア共和国の歴史の勉強をしているところです」と製作の状況を明かす。続けて「その中でも特に興味があるのは、人間の頭蓋骨に穴を開け脳の中の圧力を変化させて病気を治すというコロンビアの治療法」と関心事に言及した。

なお美術作家としても活動するアピチャッポンの展覧会「アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち」が1月29日まで東京・東京都写真美術館にて開催中だ。

アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2016 アンコール!

開催中~2017年1月13日(金)東京都 シアター・イメージフォーラム
※1月1日(日・祝)は休映
<上映作品>
「真昼の不思議な物体」
「ブリスフリー・ユアーズ」
「アイアン・プッシーの大冒険」
「トロピカル・マラディ」
「世紀の光」
「ブンミおじさんの森」
「光りの墓」
「トーンパーン」
「東北タイの子」
料金:一般 1500円 / 学生、シニア 1200円 / 会員 1100円

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アオキモトアキ/映画宣伝プロデューサー、他。 @aoaoblue

観客から演出において重要視している点を聞かれたウィーラセタクンは「キャステングが重要」と述べた/アピチャッポン「頭蓋骨に穴開ける治療法」に興味津々、イベントで新作の構想語る - 映画ナタリー https://t.co/tLKZbtbJ1J

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