現在開催中の第17回東京フィルメックスにて、本日11月24日に特別招待作品「山<モンテ>」が東京・有楽町朝日ホールで上映。終映後にはQ&Aが行われ、監督の
本作は、西島秀俊主演「CUT」で知られるイラン出身のアミール・ナデリの新作。中世末期を舞台に山のふもとの村で妻子と暮らすアゴスティーノが、壁のようにそびえる山に挑んでいく姿を描く。
全編イタリアで撮影したことについてナデリは「19年前からこの話が頭の中にあり、どこでこの映画を撮れるかなと思った。どこかの土地が自分を呼んでいる気がした。イタリアに行ったときに山の音を聴いて『イタリアだな』と思った」と明かす。
現場でのナデリについて尋ねられたサルトレッティは「ナデリさんと仕事するのはとても大変。でも素晴らしい経験だった。(撮影前は)自分の人生で一番ハードな時間を過ごすんだろうなと感じていたが、ナデリさんは誠意にあふれた人なので、それに応えられるように一生懸命やらなければと思った」と述懐。
会場の観客から、サウンドデザインにも自身の名がクレジットされていたことについて問われたナデリは「編集とサウンドデザインに一番興味を持っていて、そのために映画を作っているような感じ。ワーグナーのオペラがすごく好きでそのような音を入れたいと思っていた」「日本人のスタッフとサウンドを作った。自分にとって映画の音というのは音楽でありセリフであり、すべては音で語れると思っている」と吐露する。続けて「実は撮影が終わったあと、西荻窪にプロデューサーが部屋を借りてくれて、6カ月かけてすべての編集とサウンドデザインを日本でやってから国に戻りました」と裏話を披露した。
さらに「この映画、これまで作った映画もすべては黒澤明監督から学びました。毎回日本に来ると鎌倉に行って黒澤監督に『力を貸して』とお願いしますし、この映画はほとんど黒澤監督の影響で作ったと言っても過言ではないです」と黒澤明へのリスペクトを示す。
「自分は無理なことを絶対実現させるという気持ちを持っている」と語るナデリは、今後について「今まで映画の中では海や風や炎を使ったりしたが、次は一番危ないですよ。月に行こうと思っているんですから。また日本で映画を作るかもしれないですね」と打ち明け、イベントを締めくくった。
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アミール・ナデリの映画作品
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