本作はカナダのモントリオール郊外を舞台に、作家トーマスが起こした1つの事故が、自身とその恋人サラ、編集者のアン、そして被害者の母ケイトの人生を変えていくさまを描く人間ドラマ。
2Dに加えて3Dでも上映される本作について、松江は「変な言い方だけど、観終わったときにヴェンダースはついにやっちまったと思った。もう多分これ以上はないくらい、3D表現をやりきってしまった」とコメント。そして「3Dはメガネをかけることによって視野が狭くなるので、小さいものを見せるのに向いているのではないか。心の中も描けるのではないかと感じた」と話し、「タルコフスキーなどの作家が3D映画を作ったら面白いのではないかと思っていたけど、ついに技術を全部詰め込んだものが出てきた!」とうれしそうに続けた。
一方の大根は「パリ、テキサス」を高校生のときにリアルタイムで鑑賞したとヴェンダース作品への思い入れを語りながら「途中で『あれ?』と思っていた時期もあった」と明かしつつ、「『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』以降のドキュメンタリーは面白いと思ったし、この映画ではヴェンダースが劇映画にちゃんと戻ってきた感があってうれしい。前半にためてラストでガッと来る感じは黄金期に近い」と本作を賞賛。さらに大根は「最初は3Dで作られた意味がわからなかった」と前置きして「この映画は視線の映画。やっぱり3Dじゃなきゃだめ」「3D映画は観始めて5分から10分で慣れるんだけど、慣れ方がいつもと違った。窓から風が入ってくるショットが印象的で、風を感じた」と話した。
イベントでは、ヴェンダースの真似をして撮影した経験などを2人が語り合う場面も。大根は「あまり興味なかったけどこんな3Dだったらやってみたいかも」と言いながら、「実は電気グルーヴのドキュメンタリーを作ったときに、ちょっとだけ3Dを使おうかと思った」と告白して会場を沸かせた。
「誰のせいでもない」は全国の劇場で上映中。
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