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片渕は「この映画を作るにあたり“1300日の記録”というコラムを書いていたんですが、ここまで来るのに2292日かかりました。4人くらいで始めたんですが、クラウドファンディングにたくさんの方が参加してくれて、みんなで作る映画になったと思います。ご協力いただきありがとうございました」と観客へ感謝を述べる。
のんは、自らが声を当てたすずについて「お料理のシーンとか、生活を楽しんでいる姿が印象的で。節約するためにリサーチしたり、着物をリサイクルしたり、一生懸命なんだけどすごく楽しそうなのが素敵だなと思いました」と語る。一方自分自身については、「それまで生活するっていう才能がなくて、毎日ごはんを食べるとか、お洗濯するとかが苦手だったんです。でも(すずのおかげで)その楽しさがわかってきて……。生活をするのが楽しくなりました!」と笑顔を見せた。
それを聞いた片渕は、「ときどき、のんちゃんに僕も言われるんです」とつぶやく。のんが「監督も生活の才能がないですよね(笑)。お仕事に集中していらっしゃるので、(規則正しい生活ができていないんじゃないかと)心配で……」と言うと、片渕は「この間は差し入れと言って焼きそばパンを買ってきてくれました」と明かし、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
お気に入りのシーンを聞かれたコトリンゴは、「すずさんが絵を描いて、その絵の中でうさぎがいっぱい跳ぶシーン。最初に観たとき、すごく感激しました」と答える。すると、ベレー帽を被ったのんを指して司会が「今日ののんさんは画家さんのような出で立ちですね」と一言。のんは帽子をアピールしながらぺこりとお辞儀してみせた。
同じ質問に片渕は、すずが気を失って画面が真っ暗になり、火花が散る場面を挙げ「こうの史代さんの原作は、画用紙に鉛筆で描いたり、口紅で描いたりといろいろな描き方をしている。なのでアニメーションでも描き方の工夫をしようと思い、カナダのアニメ作家ノーラン・マクラレンへのオマージュを捧げた」と説明。しかし、アートアニメーション作家が集まる日本アニメーション協会で本作の感想を聞いて回ったところ、「みんなノーラン・マクラレンには触れないで、『いやしかし、のんちゃんが(よかった)』って……」と苦笑する。
普段の生活で幸せを感じる瞬間を尋ねられると、のんは「ポテトチップスとチョコレートを食べるときですかね。今制限してて、チョコレートは1日1個って決めているので」と回答。すると、片渕が「でもこの間、『チョコレートは食べちゃ駄目なんです』って言ってキャラメルいっぱい買ってたよね(笑)」と暴露する。のんは、照れながら「キャラメルはまだ制限していないので……」と返して笑いを起こした。
最後に片渕が「やっと皆さんが映画館ですずさんと会える日が来たので、よろしくお願いします。もうすずさんは皆さんのものですので、どんどん会いに来てください」とイベントを締めくくった。
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