第29回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが、本日11月3日に東京・EX THEATER ROPPONGIにて開催され、各部門の受賞結果が発表された。
10月25日に開幕した同映画祭は、10日間で6万589人の劇場動員数を記録。206本の作品を上映した。
コンペティション部門の東京グランプリに輝いたのは、ドイツ人監督
審査委員特別賞に選ばれたのは、スウェーデンで差別的扱いを受けていたサーミ族の少女を主人公とする「サーミ・ブラッド」。監督のアマンダ・ケンネルは、サーミ語で「ありがとう」と述べ、「映画祭はお互いの社会を知ることができる素晴らしいものだと感じました」とコメントする。また同作主演のレーネ=セシリア・スパルロクは、最優秀主演女優賞を受賞し「映画に一緒に出た妹(ミーア=エリーカ・スパルロク)、彼女がいなければここまでこれなかった」と明かした。
最優秀主演男優賞は、「
そのほか最優秀監督賞は「私に構わないで」を手がけたクロアチア出身のハナ・ユシッチが受賞し、最優秀芸術貢献賞にはメイ・フォンの初監督作「ミスター・ノー・プロブレム」が輝いた。
最後にベネックスが、「グローバリゼーションとは普遍的なものが作られるという一面を見せることもあります。しかしコンペティション部門に出品された16作品には、普遍性ではなく人間の不安や孤独、人種差別、ペシミズム、正義感、互いに違いがあるということなどを見せつけられました。違いこそ人間の共有財産です」と全体の講評を述べた。
なお日本映画スプラッシュ部門には「
第29回東京国際映画祭 コンペティション部門
東京グランプリ / 東京都知事賞
「ブルーム・オヴ・イエスタディ」
審査委員特別賞
「サーミ・ブラッド」
最優秀監督賞
ハナ・ユシッチ(「私に構わないで」)
最優秀女優賞
レーネ=セシリア・スパルロク(「サーミ・ブラッド」)
最優秀男優賞
パオロ・バレステロス(「ダイ・ビューティフル」)
最優秀芸術貢献賞
「ミスター・ノー・プロブレム」
観客賞
「ダイ・ビューティフル」
WOWOW賞
「ブルーム・オヴ・イエスタディ」
第29回東京国際映画祭 アジアの未来部門
作品賞
「バードショット」
国際交流基金アジアセンター特別賞
アランクリター・シュリーワースタウ(「ブルカの中の口紅」)
第29回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門
作品賞
「プールサイドマン」
SAMURAI賞
マーティン・スコセッシ
黒沢清
ARIGATO賞
新海誠
高畑充希
妻夫木聡
ゴジラ
※ARIGATOのOはマクロンを付けたラテン文字が正式表記
第29回東京国際映画祭クロージングセレモニー
ARIGATO賞、SAMURAI賞の授賞式レポートはこちらから
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