本日10月28日、第29回東京国際映画祭のコンペティション部門出品作「
本作は、小泉八雲の作品集「怪談」に収められた1編「雪女」を新たな解釈で映画化したもの。杉野の長編監督作としては「欲動」「マンガ肉と僕」に続く第3作となる。杉野は「3年前に原作を読み直したときに、面妖さと美しさに心惹かれまして。この物語を私なりに解釈して、現代にも通じる映画を作りたいと思いました」と制作の発端を明かす。
杉野はキャスティングに関して「佐野さんと青木さんには、この企画が始まった当初から絶対に出てほしいと思ってました」と述懐。続けて杉野は「子供なんですけど、どこか物事を達観しているような目つきの女優さんを探していて」と山口のほうに顔を向け、「プロデューサーから(山口を)紹介されまして出演作を拝見したんですが、ものすごいパワーを持った女優さんだなと。現場でも素晴らしい演技をしていただきました」と絶賛する。
同作の撮影について、監督と主演を兼任した杉野は「自分の演技に自らダメ出しをするというのは、非常に客観性を求められる作業でした。鍛えられたと思います」と力強く話す。青木は「クラシックな作品なので、『ここは右足からでいいのか』など1つひとつの作法を意識しながら、役に対して失礼のないように臨みました」と振り返った。
ここで作品タイトルの「雪女」にちなみ、自分の心の中に潜む妖怪を聞かれた登壇者たち。佐野は「演じてきた妖怪であれば蛇骨婆がいますけどね。もしくは食人鬼。カニバリズム的な願望があるわけではないですけど」と述べ、会場の笑いを誘う。また、青木が悩んだ末に「“垢なめ”ですかね」と回答すると、佐野は「お風呂の垢をなめるやつね……なんで俺が解説してるんだ」と会場を盛り上げた。
最後に杉野は「モダンな雰囲気を入れた、新しい『雪女』を作ることができたと自負しております」と自信をのぞかせ、「私たちに見えていないもの、実態をつかむことができないものを大切にしました。私の意図していないものがたくさん映画の中に映っているのではないかと思います」と作品をアピールし、イベントを締めくくった。
「雪女」は2017年3月4日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。
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