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1954年に公開された「七人の侍」は、貧しい農村を舞台に盗賊と化した野武士と戦う侍たちを描いた物語。全国の劇場で開催中の企画「午前十時の映画祭7 デジタルで甦る永遠の名作」にて、10月8日よりスクリーンにかけられることが決定している。
4K版上映後のイベントに登場した野上は「黒澤さんに見せたかった」と述懐。続けて「多くの人に観てもらいたい。素晴らしいです」と涙を流しながら話す。仲代は「名作は時空を超える。すさまじい映画ですね」と作品を絶賛した。
浪人役の1人として本作に出演している仲代。「出てました?」とジョークを交えつつ、仲代は「エキストラみたいなもんですけどね。でも1カットだけで撮影6時間ですよ」と黒澤の徹底したこだわりに驚いたことを明かす。さらに「それだけ演技指導を受けたものですから、封切りのときに観に行ったんですよ。タイトルにちらっと出てるかなと思って。あんなので出るわけないですよね」と告白し、会場の笑いを誘った。
多くの黒澤作品にスクリプターとして参加した野上は「黒澤さんが『七人の侍』を撮ったのは44歳。あの頃のエネルギーってすごいよね」と感慨深げに述べる。仲代が「スタントマンもいないんですよ」と語ると、野上は「黒澤映画はないですね」と同意し、「泥の中、馬と一緒に走るシーンが俳優さんたちは本当に怖かったみたいですよ」と撮影当時のエピソードを披露。仲代から「ハラハラしなかったですか?」と聞かれると、野上は「それどころじゃないですよ。もう阿鼻叫喚」と過酷な撮影現場を振り返った。
続けて野上は「黒澤さんは注文しないから三船ちゃんは自分でいろいろ考えてた。三船ちゃんの『泣きながら鼻水垂らしましょうか?』という提案を、黒澤さんは『汚いからやめよう』って」と笑顔で話す。そして「セリフ覚えるのが大変だったみたいですけど、三船ちゃんもよくやりましたよ。2月に裸足でしたからね」と称賛の言葉を贈り、仲代も「黒澤、三船のコンビは本当にすごいですよね」としみじみ語った。
最後に野上は「『七人の侍』は海外でも評価が落ちないんですよ。何度でも観てください」と、仲代は「若い人たちに映画を大きなスクリーンで観てもらいたいので、我々作り手が素敵なものを作らなければいけないと思ってます」と思いを伝え、イベントは幕を閉じた。
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