ドイツ映画「
史実をもとにした本作は、数百万人のユダヤ人を強制収容所へ移送させたナチス戦犯のアドルフ・アイヒマンを、1960年に潜伏先のアルゼンチンで拘束するまでの極秘作戦の裏側を描いたサスペンスドラマ。アイヒマン拘束の立役者であるドイツ人検事長のフリッツ・バウアーを「ブリッジ・オブ・スパイ」の
約1分半の予告編は、バウアーのもとにアイヒマンの消息を伝える手紙が届く場面から幕開け。アイヒマンをドイツの法廷で裁くため、イスラエルの諜報機関モサドと接触していくバウアーの姿が切り取られている。その後、彼がナチスの残党による妨害を受けながらも、「私はこの国の敵なのか?」「これは正義の問題だ」と述べながら前へと進む様子が捉えられていく。
「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」は2017年1月より東京のBunkamuraル・シネマほかにて全国ロードショー。なお10月15日から19日にかけて東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われるドイツ映画祭2016「HORIZONTE」にてジャパンプレミアが行われ、監督の
※動画は現在非公開です。
ラース・クラウメ コメント
フリッツ・バウアーはとても非凡な人物で、映画の主人公向きの燦然と輝く人物だ。ホロコーストについて話したがらないほとんどの犠牲者たちと取る行動がまったく違う。圧倒されてしまうようなとてつもない圧力を受けるのに、それでもナチス党員たちを告発しようとする。それは復讐ではなく、人本主義的精神、そして人々を教育したいという意識から。波乱に富んだ彼の人生でとりわけ緊迫に満ちたアドルフ・アイヒマンの追跡を核に据えたのは、第2次世界大戦後に悲観し、打ちひしがれてドイツに戻ってきたけれど、「意識の風化」との闘いに自身の存在意義を見い出した男の贖罪の物語を語りたかったからだ。フリッツ・バウアーのさまざまな伝記はもちろんのこと、たくさんの本を読んだ。バウアー一派の最後の生き残りである検察官のゲルハルト・ヴァイスとも会った。知識にあふれた鋭く優秀な人物で、フランクフルトの当時の検察局の状況や上司としてのバウアーがどういう人だったのかを教えてくれた。すごく参考になった。それに加え、フリッツ・バウアー研究所の職員たちと何度も濃密で触発されるやりとりをした。
我々が21世紀になってもフリッツ・バウアーから学べることはたくさんある。考えうる限りの圧力があったとしても、大義のために邁進することに勇気を持ち、粘り強くゴールを目指すべきということ。フリッツ・バウアーは「復讐に燃えるユダヤ人」として反対勢力に遭い、生涯にわたり手強い敵に囲まれ続けた。ドイツ当局は1人も彼に協力したがらず、あの手この手で彼を妨害し続けた。「執務室を出ればそこは敵のいる外国だ」という伝説的なこの声明は彼から出てきたものだ。それにも関わらず、最後に彼は成し遂げた。僕にとっては真のヒーローなんだ。この映画にはサスペンスがある。アウトサイダー対全権力、という古典的な闘い──これは架空のマンガの世界じゃなく、本当にあったことだ。簡潔に言えば、感情に訴えかけてくる、時代を問わず人々を鼓舞し続けるヒーローの物語なんだ。
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- 「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」公式サイト
- 「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」予告編
- ドイツ映画際2016「HORIZONTE」
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