「バンコクナイツ」は、バンコクの日本人向け歓楽街で娼婦として働くタイ人女性と、彼女のかつての恋人であった元自衛隊員の逃避行を描く物語。このたびの受賞について、富田は「今のみずみずしい若い人たちの感覚がこの映画を引き寄せてくれた、ということは非常に我々にとって心強いです」とコメントを寄せた。
一方「風に濡れた女」は、日活ロマンポルノ製作開始45周年を記念したリブートプロジェクトの一環で制作された作品。過去から逃れるように山で隠遁生活を送る男と、生命力と性欲を持て余した女の関係が映し出されていく。塩田は「低予算の成人映画であろうとも、作り手の心意気次第では、世界に通じる映画を作れること、娯楽映画でありながら同時に芸術映画ともなりうることを証明することができました」と喜びを語っている。
なお同映画祭の新進監督コンペティション部門では、「
「バンコクナイツ」は2017年2月下旬より東京・テアトル新宿ほか全国で順次公開。「風に濡れた女」は今冬、東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次封切られる。
富田克也 コメント
映画は、時代によって評価も変わっていくものだと思います。今のみずみずしい若い人たちの感覚がこの映画を引き寄せてくれた、ということは非常に我々にとって心強いです。一番嬉しいことかもしれません。
この先、「バンコクナイツ」の評価は若い人たちで、盛り立てていってもらえたら、と思います。
塩田明彦 コメント
リブートした日活ロマンポルノが思いもかけず国際映画祭のコンペティション部門に出品され、こうして若手審査員の方々からの評価を得たことを、心よりうれしく思います。たとえ低予算の成人映画であろうとも、作り手の心意気次第では、世界に通じる映画を作れること、娯楽映画でありながら同時に芸術映画ともなりうることを「風に濡れた女」は証明することができました。それを何よりうれしく、誇りに思います。そして、今回の若手審査員の方々の多くは20代前半の女性たちで、(ロマンポルノ作品として作られた本作が)そうした方々からの支持を得られたことは、今後の大きな自信となります。授賞式の席上でも「風に濡れた女」と「バンコクナイツ」の発表には大きな歓声がわき、観客からの支持の強さを感じました。
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リンク
- 「バンコクナイツ」公式サイト
- 日活ロマンポルノ 公式サイト
- 「ディストラクション・ベイビーズ」公式サイト
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【ニュース】昨日の映画.comに引き続き映画ナタリーでも記事が掲載。舞台上で富田監督が「塩田明彦監督は、僕の映画学校時代のシナリオの先生でした」と感謝の言葉を述べていたことを付け加えておきます。
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