本日7月28日、「
本作は「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」の原作者・佐藤泰志の同名小説をもとにしたラブストーリー。オダギリ演じる北海道・函館の職業訓練校に通う男・白岩義男と、蒼井扮する風変わりなホステス・田村聡が惹かれ合っていくさまを描く。
腰を痛め、杖を突いて登場したオダギリは脚本を読んだときの感想について「セリフに惑わされない脚本というか。世の中にはセリフだけ言ってるような作品もありますよね。こういうこと言うとまた怒られるんですけど」と笑い、「俳優として刺激を受ける脚本だったし、山下監督の作品だったのでぜひやりたいと思いました」と明かす。
蒼井は本作が20代最後の作品となったことについて「難しい役だったので、“つかめたぞ”って実感がないまま撮影が終わってしまいました」と明かし、「完成した作品を観ることがすごく不安でしたけど、いい脚本、いいキャスト、そしていいスタッフがいればこんなに素晴らしい映画ができるんだと改めて気付かされました。この経験を大切にして30代に突き進んでいこうかと思います」とほほえんだ。
撮影中のエピソードを聞かれた松田は「僕は白岩と聡が出会うきっかけになる代島という役を演じたんですけど、(蒼井とオダギリを指し)2人が人見知りで全然しゃべってくれないんですよ」と苦笑。「弁当も違うところで食べちゃうし。ここは俺が行かなきゃと思って、オダギリさんの横に行って『弁当一緒に食いませんか』と誘ったりしました。でもそれが功を奏したのか、代島が演じやすくなりましたね」と明かす。そして満島が「僕はただ先輩方とおしゃべりをすることが楽しくて。翔太さんともふざけてたし」と暴露すると、松田は「ちょっと待って、ふざけてないから!」と笑いながら抗議した。
本作のタイトルにちなみ「乗り越えたこと、乗り越えたいこと」を聞かれたオダギリは「『フェンスを乗り越える』ってめんどくさいじゃないですか。わざわざ体が痛いときに……」と笑わせ、「フェンスのようなものは感じないようにしています」と回答。蒼井は「人生に目標を持つようなタイプじゃないですから、夜を越えれば朝が来て……ということを繰り返しているうちに、楽しくポックリ逝けたら」と答えた。
ここで釜山国際映画祭に本作が出品されることが司会から明かされ、来場者が拍手を贈ったが、登壇者たちは冷静な表情。蒼井が「知ってました……」と笑い、松田が「さっき(蒼井から)『翔太くんも(映画祭に)行こうよ』とか言われてたんですよ」と明かす。
最後にオダギリは「海外に行くので、実は公開初日の舞台挨拶に行けないんですよ」と弁解。「大好きな作品なんですけど、どうしようもないんですよね。『主演なのに舞台挨拶にいない』とか書かれちゃいそうですけど……すみません」と謝罪しつつ、「これだけ言わせてください。ロケンロー!」と杖を掲げてみせた。
そして山下は「すごくいいキャストとすごくいいスタッフが全力を出しきるといい作品ができるんだ、ということを作り終えたときに実感しました。とにかくどこを切ってもいい芝居といい撮影といい音楽といい風景が出てくる、自信の持てる作品です」と述べ、イベントを締めくくった。
「オーバー・フェンス」は9月17日よりテアトル新宿ほか全国でロードショー。
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- 「オーバー・フェンス」公式サイト
- 「オーバー・フェンス」特報第2弾
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塚本晋也tsukamoto_shinya @tsukamoto_shiny
山下敦弘監督の「オーバー・フェンス」。隠し味で出演させていただきました。探してみてくださいね。 https://t.co/s2YwXMn2Bm