本日7月11日、「
「怒り」は、ある殺人事件の容疑者として浮上した3人の男たちを中心に、彼らを取り巻く人々が信用と疑惑の間で揺れるさまを、千葉、東京、沖縄を舞台に描く群像劇。この会見には渡辺、
東京編で主要キャラクターを演じた綾野と妻夫木は、今回が初共演。藤田優馬役の妻夫木は「剛がいてくれたから僕は優馬として生きることができた。悪人のときは『ようやく撮影が終わった!』とホッとしたんですけど、今回は終わってしまう切なさや悲しさがありました」と述懐し、大西直人役の綾野は「すべてが愛おしい時間でしたね。妻夫木さんは親族みたいな感じがあって、テレビに出ていたりすると『あっ』って思って手を振っちゃうんです。……すみません、イチャイチャするのやめます!」とはにかんだ。そして2人と共演した高畑が「お互いのことが好きなんだなあと思って、すごく苦しくなりました(笑)」と話して報道陣を笑わせる場面も。
続いて沖縄編の話題に。李からの熱烈なオファーを受けてバックパッカー・田中信吾役で出演した森山は「自分の役を捉えようとするよりも、現場の空気の中で僕が立っているだけでいいのではないかという気にさせてくれる現場でした。李監督にとにかく心をかき混ぜられた感じがしました」と振り返る。
さらに沖縄に越してきた少女・小宮山泉役の広瀬は「泉という少女が抱いた感情が複雑で残酷すぎて、あまり記憶がないです……」とつぶやき、李の演技指導が厳しかったことに触れながら「監督がごはんを食べている姿を見て、『監督も人間だ!』と思って(笑)。ある日、監督に『監督バカヤロー!って言っていいよ』と言われて、叫んだこともありました」と撮影時のエピソードを披露。オーディションで知念辰哉役を射止めた佐久本は「李組の過酷さを聞いていたので、どうなるんだろうかと不安でした。でも監督の演出はただ厳しいだけじゃなくて、愛情も感じられました」と緊張の面持ちで話した。そんな広瀬と佐久本を、李は「正直ずいぶん叩きましたけど、そのたびにしなやかに立ち上がってくれた。魂の強さを持っている2人だなと感じました。広瀬さんは太陽、宝は海みたい」と賞賛する。
千葉編に話題が及ぶと、田代哲也役の松山は「僕も(李組が厳しいと)聞いていたんですけど、なんでこんなに噂が蔓延してるんでしょうね? だって宝くん沖縄に住んでるんだよね!? 沖縄まで届いてるってこと? でもみんな嫌そうには言わないというか、そこに愛があるんですよね」と不思議そうな表情を見せ、槙愛子役の宮崎は「今までで一番監督と話をした現場ですね。台本を読んでも答えがでなくて、現場に行くといろんなものを剥がされるような感じがしました」とにっこり。
愛子の父親・槙洋平役を務めた渡辺は「(李は)夜中に帰ってきて、2時からステーキ食ってる人なんです。常軌を逸している! 千葉編はそんなに移動がないし、ダイナミックな話じゃないから、スタッフはみんな安らぎに来てた感じがしたよね」と茶目っ気たっぷりに話す。また宮崎が「(渡辺のことを)現場でも『お父ちゃん』って呼んでいて。2週間しか一緒にいなかったとは思えない濃密な時間でした」と撮影時を懐かしむと、渡辺は「俺、あおいちゃんには本当に幸せになってほしいと思っているからね!」と宮崎に声をかけた。
終盤には、キャストたちへ「自分の出演パート以外の場面についてはどう思いましたか?」と質問が飛ぶ。森山は「(同性愛者の役を演じた)妻夫木さんのパーティでの振る舞いが素晴らしいと、僕の周りのその筋の方から大絶賛で!」と元気いっぱいにコメント。妻夫木は照れくさそうな様子を見せながらも「役作りで新宿2丁目に通ったりゲイの友達とパーティをしたり、剛と一緒に住んでみたりといろんな思い出が残っています。剛と一緒にいた日々は僕の中では真実なので、映画を観たときはみんなが泣かないポイントで泣いちゃいました」と真摯に述べ、宮崎は「同じ女性として、私はすずちゃんのシーンで心が締め付けられました。あの表情は忘れられないです」としみじみと語った。
「怒り」は9月17日より全国でロードショー。
※宮崎あおいの崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
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谷家幸子 taniya_s @taniyanyanz
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